田川伸一郎のブログ

埼玉県の中学校バンド

今日は、埼玉県の中学校にお伺いさせていただきました。

先生とも生徒さんたちとも初めての出会いです。


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こちらの顧問の先生とは、このブログのメールフォームを通じてご縁をいただきました。
先生は、以前、ある講習会で私の講習を受講され、「いつかきっと」と思ってくださっていたそうです。
その「思い」が断ち切れることなく、お声かけいただき、とてもうれしく思いました。


先生は、今年度、こちらの中学校に赴任されたばかりです。
これまでの部活の進め方とご自分のやり方を溶け合わせながら、ここまで進んで来られました。

代が変わり、今のメンバーでの初めての大きな本番として、「新人戦」のような大会に参加されるそうです。
千葉県でも、この時期の活動の活性化のために、中学校・高校の「交歓大会」を行なっています。

いずれも、先生方が自主的に立ち上げた大会のようです。


今回は、その大会を前に、曲のレッスンだけでなく、先生ご自身が、「自らの指導がこれで良いのか、基礎合奏のやり方はこれで良いのか」ということを客観的に評価してもらいたいという「自己チェック」も目的として、お招きくださいました。

このブログでも、多くの先生方の「学び」の様子、「教師が変われば子どもも変わる」といったような記事にも勇気をもらい、子どもたちのより豊かな活動と成長のために、あえて、「私の指導をチェックしていただきたいのです」とお話しくださいました。

「自分は絶対正しい」と思わず、他人の意見も聞いてみようとする先生の姿勢はすばらしいと思います。
かと言って講師に丸投げではなく、しっかりとご自身の考えで指導しようという意思もお持ちです。

そのような先生が指導されているバンドは、必ず良い方向に育っていきます。


部員は全部で20名程度の「小編成バンド」です。
小学校でもバンドを経験した生徒さんが多いですが、小学校が金管バンドだったため、木管は全員が初心者。
金管も、小学校の時と違う楽器を担当している生徒さんが多いようでした。

「いい人数ですね。」と言う私に、皆、きょとんとしていました。

人数が少ないからこそできることがあるからです。

たとえば、ひとりひとりの音程合わせ、緻密なアンサンブル、ひとりひとりの部員の存在が大きくなること、部員同士あるいは先生と部員とのコミュニケーションなど...大人数のバンドでももちろんそれはなくてはならないものですが、物理的に厳しい場合も起こりえます。

「小編成」の良さを生かして活動していけばよいのです。


今日は、そんなことを念頭に置きながら、お手伝いさせていただきました。

新しい顧問の先生のやり方にもだいぶ慣れ、代替わりをした今、皆でしっかりと伸びていこうとする意欲が、音楽室の空気から感じ取れました。


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チューバがいませんが、バリサクとバスクラがとてもよく低音を支えています。
倍音がとてもよく響くので驚きました。


「基礎合奏」では、先生のご指導も、生徒さんたちの発言も皆正しいので、私からは、「違った角度から基礎合奏を見直す練習」をさせていただきました。

「基礎合奏の目的」をもう一度皆で確認し合うことからスタートです。
そして、その目的に迫るための大切なポイントを押さえ、「軸」がぶれないようにしていきます。

「たとえば、宿題は、期日までに完成させて提出することが一番大事だよね。その上で、字がきれいで良いとか、とてもていねいにやってあるとか、プラスアルファの良さがその質を上げる。でも、とりあえず、期日までに完成させて提出すれば、宿題としては合格。」と、「軸」と「プラスアルファ」の観点に分けて、基礎合奏を考えてみました。


曲の練習では、2曲が用意されていました。
「新人戦」では、過去の課題曲から1曲と自由曲を演奏するのだそうです。
こんな小さいバンドにも、そのような規定があるとは...

先生も、とても悩まれ、生徒さんたちの意見を聞きながら決めたそうです。

このバンドの編成や技能からすると難しい曲でしたが、この曲を少しでも楽しみながら、「音楽の本質」に触れてもらいたいと願い、レッスンを進めさせていただきました。

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生徒さんたちにも意見を聞きながら、イメージを共有していきます。

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先生の「自己チェック」のためにも、おそらく先生も生徒さんたちも経験していないであろう手立てを使って、「子どもと音楽を結びつけるためのアプローチの仕方」で進めていきました。

また、合奏練習中の「コミュニケーション」ということにも、工夫をしながら進めました。

気づいたら、休憩も取らず...
あっという間に時間が過ぎていきました。

曲全体をすべて見ることはできませんでしたが、明らかに良い音、良い演奏に変わったと、私は拍手してあげました。

先生は、「うちの子たち、こんなにいい音を出せるんですね!」と、生徒さんたちのすばらしい可能性を改めて実感。
生徒さんたちも、「楽しかったです!」とニコニコ顔でした。

先生のただひとつの後悔は、「もっと早く見ていただいていたら...。」
でも、今日のレッスンで、「今までのやり方で良いと思った点、修正すべき点がわかりました。」と言えたことは、何よりの収穫だと思います。

あとは、「応用する力」です。


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2年生のティンパニー君は、たった一人の男子部員です。
入部した時から今日まで、ずっとひとりの男子です。
「女子ばかりで、やりにくいことない?部外の人から何か言われたり...」
「いえ、音楽が好きなので、男子ひとりでも大丈夫です。」と

君はすばらしい!
君のような人に愛される「音楽」「楽器」は幸せだなぁ。

「みんな、彼を大事にしようね!」と言うと、皆、ニコッとしてうなずいていました。
いいなぁ、この雰囲気!



「練習後のミーティングでは、子どもたちをたくさんほめてあげます!」
先生は、うれしそうに生徒さんたちの待つ別室へ移動されました。

私は、あえてミーティングに同席せず、音楽室で待たせていただきました。

先生と生徒さんたちの幸せそうな顔を思い浮かべながら...


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新しい生徒たちとの出会いの中、夢中で駆けっている先生。
とまどいながらも、先生の思いに応えようとしている部員の皆さん。
接点はしっかりと見えてきています。

そこに「音楽」という互いの大事な宝物を共有しながら...

先生は、自ら学び、もっともっとご自身を変えていきたいと意欲満々です。
生徒さんたちも、もっともっと伸びたいと意欲満々です。
だから、何も心配いりません。

確かな一歩を確実に踏み出していきましょう。

良い出会いをさせていただき、光栄です。

またお会いしましょう!


お招きいただき、ありがとうございました。


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| | 2014-01-07(Tue)18:32 [編集]