田川伸一郎のブログ

神奈川県の中学校バンド

昨日は、神奈川県の2つの中学校にお伺いさせていただきました。
共に、今年度、何度かお伺いした学校です。


今は、当然のことながら、新体制での活動が行われています。

どこのバンドでも同じだとは思いますが、この時期、部長他のリーダーも、それぞれに迷いながら、より良いチームにしていこうとリードしようとしていることと思います。

「他のメンバーも皆、同じ意欲で」と言いたいところですが、全員のモチベーションや気合い、思いが一致することはなかなか難しいのが、今の時期の特徴で、寒さやインフルエンザなどの体調不良も重なって、どことなく「重い活動」にもなりがちです。

「人間関係のもつれ」や「もめごと」が起きるのも、この時期。
何とか乗り切ってほしいのですが...

顧問の先生も、特に中学校3年生の担任だったりすると、今は受験関係のお仕事で、部活に顔を出せることも少なくなり、つい、「自分たちで『基礎』をしっかりやっておきなさい。今の時期は『基礎』が第一。」となってしまうことも理解できます。

曲を与えても、どうせ合奏もできないし、本番もないし...
顧問の先生の気持ちも、ちょっぴり「オフ・シーズン」になってしまうのかもしれません。


昨日お伺いした2つの中学校の先生は、偶然にも、おふたりとも3年生の担任をされていらっしゃいます。
もちろん、部活には、自分の学級・学年の生徒はいません。


それでも、先生は「オフ・シーズン」にはならず、忙しい受験関係のお仕事と両立されて、しっかりと部活動のご指導をされていらっしゃいます。

・放課後は全く部活に行けないため、朝練習には、どんなに忙しくても、ほんの少しでも顔を出し、指導や声掛けをする。
・部長他のリーダーとは、常に連絡を取り合い、部活の状態や練習の進み具合を知り、適切な指示を出す
・放課後も、会議中や仕事中にほんのわずかな休憩時間でも取れれば、トイレよりも先に音楽室に行き、一言声掛けをして戻る。
・顧問が練習に行けないことを予測して、そういう時の練習の仕方を、事前にしっかりと刷り込んでおく。(顧問がいなくても、基礎合奏、曲の合奏、合唱練習が出来るように、仕切る生徒を育てておく)
・休日返上で練習をし、しっかり部員に向き合う時間を確保する。
・・・・


いずれにしても、部活への熱い気持ちがあり、寸暇を惜しみ、ご自分のプライベートな時間を削ったり、夜中の仕事量を増やしたりして、その分を部活動に注いでいらっしゃるのです。
つまり、ご苦労して「時間を生み出している」わけです。

気持ちはあっても、現実問題として、そこまでできない生活の状況にある先生方も当然いらっしゃいます。
ご家庭、ご家族、育児、介護、ご自分のお身体の問題...

昨日のおふたりは、たまたま、今は何とかなる状況にあり、決してそれはあたりまえではないということ。
生徒さんたち、そして、保護者の方々は、もしかしたら、こんなにしてもらえることを「あたりまえ」だと思っているのでは...
どうかわかりませんが、2校の生徒さんたちには、先生方がしてくださっていることは「あたりまえではないこと」を私から気持ちを込めて話しました。
「ありがたい」と思ってほしい。そして、それに応えるべく自分たちで出来ることを精一杯やってほしいと...


おふたりの先生方は、部活動を「冬眠」させないだけではなく、より忙しくなるのを承知で、県内の仲間の先生方と声をかけ合って、自主的な「本番」まで用意されていらっしゃるのです。
他県でも多くなっている「新人戦」です。


しかし、この先生方がされる「新人戦」は、「コンクール」ではありません。
「発表会&勉強会」です。

バンドによって、あるいは顧問によって、状況が全く違う中、この時期にまで「戦う」必要はない。
「勝ち負け」による喜びや落胆を体験させる必要もない。
また、「勝ち負け」を使って、生徒たちのモチベーションをコントロールすることはしたくない。
という考え方から生まれた、皆で、励まし合い、勉強し合おうという「真の交流会」です。


この「発表会&勉強会」では、先生方皆で決めた「マーチ」を「共通曲」とし、さらに各学校で選んだ1曲を演奏します。
講師の先生をお招きし、各校の演奏に対しての講評を書いていただきます。

「賞」は、一切ありません。

「賞」はなくてもお互いに聴き合えば、生徒たちは、内心、「比較」をすると思います。
「誰かに評価された」しかも、「金とか銀とか銅とかいう単語の評価」ではなく、「自分自身の思いで評価したこと」は、「あこがれ」「反省」「意欲」となって生きてくると思います。
それで十分です。

そして、最後は、各学校から少しずつメンバーを出した「合同バンド」がステージに上がり、「共通曲」のマーチを、その講師の先生に公開指導していただき、先生方と生徒たち皆で、その曲の演奏のポイントについて勉強するということです。

各校で勉強してきた「マーチ」を、さらに全員で勉強し、それを学校に持ち帰って、もう一度復習してまとめるのです。

何とすばらしい「新人戦」の持ち方でしょう。
こんな温かい「会」に参加させてもらえる生徒さんたちは、本当に幸せだと思います。


昨日は、どちらの学校も、この「発表会&勉強会」に向けてのレッスンでした。

どちらのバンドも、それぞれの「今」としっかり向き合いながら、熱心に練習していました。

演奏のレッスンだけでなく、様々な「心の話」を織り込みながら、「今」から一歩前に進む「エネルギー」と「夢」を持たせてあげたいと願いました。


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少々アンバランスなパート編成に悩みながらも、皆が、よく楽器に息を入れ、活気のある音を生み出していました。
このバンドは、私が、このバンドの編成に合わせてアレンジさせていただいた管弦楽曲を練習されています。
去年の秋にご依頼を受け、拙いアレンジではありますが、真心込めてさせていただきました。
今回の発表会でも演奏してくださるということです。

基礎的な奏法を含め、勉強できることがたくさんある曲なので、ただ演奏するだけでなく、「何にどう気をつけるか」をはっきりさせて練習すると、基礎技術も確実に上がってくることがわかりましたね。
打楽器も、少ない人数で限界までパートを埋める「離れ業」にチャレンジしてみてください。
同時に2つの楽器を打つ工夫も楽しいものです。

夜、顧問の先生から、「私が今まで伝えていたこと、伝えたかったことを、今日のレッスンで先生に違う方法で伝えていただき、生徒の中にしっかり落ちたような気がしました。先生にレッスンしていただくと、その後、生徒がとても明るく前向きになり、ありがたいです。午後の合奏も、皆とてもやる気があり、私も楽しく出来ました。また、『朝練習の価値や取り組み方』、たくさんの『心の話』も的確にしていただき、生徒も感じることが多かったと思います。いつも音楽以外のことでも、生徒を育てていただき、感謝しています。」とご報告くださいました。

私は、「レッスンの後、練習がしやすくなった。生徒の意欲が増した。」という内容のご報告をいただくのが、一番うれしいです。
私が一番大切にしたいのは、「私と生徒さんたちとのやりとり」ではなく、「顧問の先生と生徒さんたちの固い結びつき」だからです。
先生からいただいたご報告は、本当にうれしかったです。ありがとうございました。

先生の導きのすばらしさが、これからますます生きてくることだと思います。
自信をもって進んでください。

部員のみんな、ふぁいと!


  

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事前に顧問の先生から「代替わりしてから、2年生が、『自分たちがしっかりしなければ』とやる気を見せてくれていて、とてもうれしいんです。まだまだうまく回っていない面はありますが、生徒たちの意欲が感じられるので、私がそれを音楽の面で育ててあげなければと思っています。」とお話がありました。

玄関にお迎えに出てくれた部長さんたちの表情からも、「意欲」がわかりました。
あいにく、体調不良による欠席者が少し多く、全員そろっての練習ではありませんでしたが、特に「マーチ」の練習では、ひとつひとつの指示に対する反応が良く、「マーチらしい演奏」に変容していったのがすばらしかったです。

こちらの先生も、「私も同じことをずっと注意してきていたのですが、なかなか直らず困っていました。やはり、同じことを先生も注意されたのですが、先生の一言が加わっただけで、生徒が理解して演奏が変わったのがわかりました。生徒に投げかける言葉のたった一言の大切さを改めて感じました。やはり、私がもっともっと勉強しなければ...」と謙虚におっしゃっていました。
でも、先生の日常の良いご指導があったから、私の一言が効いたのであって、それがなければ、「何だかこのオジサン、不思議なことを言ってるなぁ」と思われたかもしれません。

3年生担任として、「田川先生が生徒に私のことを褒めてくださっているのを聞いていて、何だか申し訳ない持ちになりました。生徒たちは、私がつけない時間を、自分たちで本当によく練習し、合奏の指揮も、合唱の仕切りも、それぞれのリーダーがよくやってくれています。私は、少々それに甘えている部分があり、先生のお話を聞いて、自分自身の工夫でもっと部活のために力を注ごうと思いました。」とまたまた謙虚に...

先生が、リーダー育成に努め、自主的活動の「レール」をしっかり敷いて来られたから、生徒さんたちに甘えられるのです。
これ以上無理されず、さらに生徒さんたちの自主性を育てることも、良い方法かもしれませんよ。
先生の思いは、十分生徒さんたちに伝わっています。




今日は大寒。

本当に寒い中で、それぞれの学校で、顧問の先生方は、バンドを「冬眠」させない工夫をしていらっしゃると思います。

しかし、先生も人間です。
生徒たちのため...とご無理され過ぎて、お身体を壊されることがないようになさってください。

特に、3年生の担任の先生方。
学級の子どもたちの「春」のために、本当にご苦労様です。
なおかつ、寸暇を惜しんで、部活のご指導をされ...。
頭が下がります。


全国の「3学年担任兼吹奏楽顧問」の先生にご指導していただいている吹奏楽部員の皆さんへお願いです。

先生の「睡眠時間」を少しでも増やし、元気を保っていただけるように、「自分たちでしっかりやりますから、先生、大丈夫ですよ!」と、先生を安心させてあげてください。

言葉ではありません。
活動そのものによってです。

今こそ、みなさんが先生を助けるときです。


がんばれ、先生方!
がんばれ、吹奏楽部員のみなさん!


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| | 2014-01-23(Thu)05:57 [編集]