田川伸一郎のブログ

福島県から~その1・新しい出会い~

金曜日の夜、急遽、福島入りし、土曜日と日曜日に、中学校4校、高校1校にお伺いさせていただきました。

中学校の2校は、全く初めてのお招きでした。


土曜日の朝、福島でも珍しいというほどの大雪の中、ホテルまでお迎えにいらしてくださった先生の車で、初めてお伺いする1校目の中学校へと向かいました。

かなり吹雪いているところもありましたが、運転は快調。やはり、雪に慣れている地区の方は違います。

「田畑に囲まれた村の中学校なんです。子どもたちは、みんな素朴で純粋で、とっても素直な良い子たちですから。」
先生から聞かせていただいたお話は、私をワクワクさせることばかりでした。

こういう言い方は失礼かもしれませんが、「村立の中学校」と聞くだけで、どこか懐かしく優しい気持ちになれるのです。

学区に入ると、敷地内に「蔵」がある大きな家も見られ、ますます懐かしい気持ちになりました。

そして、学校に着くと...

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超近代的な建物にびっくり! イメージしていた「村の学校」とは全く違いました。
右の小高い丘の上にあるのが音楽室です。
音楽室のすぐ前が、「野外ステージ」になっているのです。(次回は、しっかり写して来ます。)
雪との格闘でこの写真がやっとでした...


吹奏楽部は、部員13名という小さな部活です。
顧問の先生は、音楽科の女性の先生を主顧問、英語科の男性の先生が副顧問をされ、おふたりで一緒にご指導されています。
今回は、副顧問の先生が中心となった練習を拝見させていただきました。

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立派な音楽室。そして、打楽器は良い楽器がそろっていて驚きました。
子どもたちの教育には、村がずいぶんお金をかけているそうです。
子どもたちは「村の宝」なのです。


今回のレッスンでは、この小さなバンドを温かい愛情たっぷりに育てておられる先生方から、「部の活動現状チェック」「子どもたちの活動へのアドバイス」「現在練習中の曲の特に表現を中心としたアドバイス」という内容のご依頼を受けていました。

「こんにちは!!」
13名の生徒さんたちは、とても張りのある、トーンの高いあいさつの声とすがすがしい笑顔で迎えてくれました。
先生方や地域の方々の愛情をたっぷり受けて育っているのがわかる表情でした。

この人数なら、ほんの一言ずつでも、ひとりひとりとおしゃべりできるからうれしいです。
私は、生徒さんたちの間をぐるぐる歩きながら、おしゃべりを楽しみました。
皆、ニコニコしながら、いきなり現れた変なオジサンをかまってくれました。

「いい子たちだなぁ!」 先生から伺っていたとおりの生徒さんたちでした。
たくさんほめながら、「心の話」をして、練習に入りました。

日頃おこなっている「基礎的な練習」を見せていただき、それらの練習の「目的の確認」と「メニュー修正のアドバイス」をさせていただきました。

心が純粋で柔らかいので、私の指示やアドバイスが、すっと入っていき、音がみるみる変わります。
そして、人数が少ない分、ひとりひとりの参加意識がものすごく高く、集中した目線が持続します。
小編成バンドの「良い面」を、先生方が生徒さんたちに感じさせているのがわかります。

「曲の練習」では、ブレーン社のフレキシブル楽譜を使って、この編成でも無理のない合奏練習をしていました。
選曲の視点やセンス、与える際の工夫がとても良いので、皆、音楽の味を感じて演奏することができていました。

「ゆったりと流れる部分の練習の仕方」、「速く、拍子も変わる部分の練習の仕方」を、生徒さんサイドと先生サイドの両方でアドバイスさせていただき、実習しました。

指揮で引っ張る部分、できるだけ奏者に任せて主体的に音楽させる部分を設定する大切さと、その演奏の指導法も伝授させていただきました。

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こうした練習の間じゅう、生徒さんたちは、「ハイ!」だけでなく、納得のうなずきや笑顔の反応を続けていました。
こういう自然な反応が、とてもいいなと思いました。

途中少し休憩時間を取りましたが、皆、トイレ以外はずっと練習していました。
そんな姿を見ながら、顧問の先生が、「みんな、田川先生のご指導がよくわかり、やる気が増して、練習したい気持ちでいっぱいなんです。」と話してくださいました。

そして、曲の演奏がどんどん変容していく様子に、「うちの子たち、こんなにできるんですね。すごい!」と、感激されていらっしゃいました。

レッスンの最後には、主顧問の音楽科の先生が時々ご指導されているという「ボールを使ったリトミック」を見せてくださいました。

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みんな、先生が弾くピアノに合わせて、とても楽しそうに「拍子や速さ、リズム」に
反応して動いていました。
こういう「基礎感覚づくり」が、子どもたちの豊かな音楽性の基となっているのです。


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          そして、ソルフェージュを兼ねて、「初見合唱練習」です。
          完成はしませんでしたが、「いい曲~」とうれしそうでした。
          また今度練習してみてくださいね。



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温かい先生方、君たちを「宝物」のように思って見守ってくださる地域の方々のおかげで、こんなに立派な環境で豊かな音楽活動ができ、君たちひとりひとりが「宝石」のように輝いている様子に、心から感動しました。
先生方が、君たちひとりひとりをどれだけ大切に思い、「小さいバンド」であることの良さを前面に出して君たちを導いていらっしゃるかがよくわかります。
そんな愛情をまっすぐに受け取り、ひたむきに努力を続ける君たちはすばらしい!
これからも、きれいな心で、美しい音楽を奏で続けていってくださいね。




そして、土曜日の午後は、もう1校の中学校バンドと新しい出会いをさせていただきました。

こちらの学校も、まだ築2年ほどの新校舎で、音楽室は楽器庫も広く、使いやすい造りでした。
音楽室の壁のうち、二面が大きなガラス窓で、窓からは山々や木々がよく見える最高のロケーションでした。
今回は、吹雪の舞う白銀の世界でしたが、秋の紅葉は特に美しいそうです。
そんな時期に来てみたい!と本心で思いました。

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二面が窓という、気持ちも広々とする立派な音楽室です。
雪の景色も美しかったけれど、ここからの新緑の山々や紅葉の木々の景色も見てみたいです。


こちらのバンドの顧問の先生は、今年度、こちらに赴任してきたばかりの女性の先生です。
前任校では合唱部の指導をされていたそうですが、今は吹奏楽のご指導に燃えていらっしゃいます。

合唱と吹奏楽は密接に相通じる部分がありますが、先生は、特に「呼吸法」にこだわってご指導されているようで、生徒さんたちに、「顧問の先生が代わって一番変わったことは何?」と聞いたら、「呼吸です」と返って来ました。

このバンドの生徒さんたちは、トイレに行く時も片づけをする時も、特別な用のない限り、おしゃべりの代わりに「ツーーーーーーッ」と、ブレストレーニングをしながら動きます。
それが当たり前のように、自然にやっているからすごいです。

ちょっとした時間を無駄なく使い、「呼吸法」に意識を向けているのです。

このバンドの部員は、21名のようですが、体調不良(インフルエンザかな?)で5名も欠席で、先生も残念がっておられました。
こればかりは仕方ありません。

こちらのバンドでは、基礎練習を中心に、あとは卒業式に向けての曲を練習しているということで、数日前に私から『ふるさと』の楽譜を送って練習していただきました。

今回は、「基礎的な技術」ということと共に、「音楽の基礎」を『ふるさと』を使って、みっちりと勉強しました。

皆、出会った瞬間には、かなりのハイテンションで、キャーキャー騒ぎ、ちょっとした冗談にも笑い転げていましたが、練習に入ると、キリッと引き締まり、本物を求める眼に変わります。

こういったメリハリある態度を、顧問の先生はいつもご指導されているのだろうなと思いました。

発問形式で勉強を進めましたが、様々な意見が出て、とても良い学びができました。

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頭ではなく、身体で音楽の特徴や音楽の広がりを感じ取ります。

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「えーっと...だから...」 視覚的に勉強することも大切です。

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入部した時から今まで、先輩にも後輩にも男子はおらず、ずっと男子ひとりで活動して来ている
2年生のトランペット君です。
「音楽が大好きなんで、女子ばかりでも気にしません。周りには色々言ってくる人もいますが。」と。
楽器も歌も抜群に上手く、良い意見も発表します。すばらしい!


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こちらの中学校でも、ソルフェージュを兼ねて、「初見合唱」をしました。
みんなのにこやかな表情が、とてもすがすがしかったです。
男声パートは一人でかなり正確に歌えていました。すごい!


顧問の先生は、生徒さんたちが、初めて出会った私としっかりコミュニケーションでき、生き生きと音楽している姿を見て、目が潤みましたと話してくださいました。
生徒さんたちは、「泣けるほどいいお話や演奏ががらりと変わるご指導をしてくださり、感謝しています。」と...

こちらこそ、皆さんのような真剣に学び、生きる中学生と一緒に勉強できて、とても光栄で幸せでした。

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今年度代わった顧問の先生の指導方法をしっかりと実践し、素直な心で前に進む皆さん。
ある時は「ギャハハハハハ」と笑い、ある時は真剣に...そんなけじめのある態度がすばらしい。
先生は、演奏技術でなく、君たちの「心」も大切に育てたいと願ってくださっています。
そんな先生の願いに応えて、窓から見える大自然のような大きな心で、これからも音楽に、そして自分自身の生活に向き合っていってくださいね。
もう早速、次に会える日を、先生が設定してくださいましたよ。
その日には、さらに成長した姿を見せてください。楽しみにしています!



新しい出会いは、数年来の大雪の中でした。
きっとこの日は忘れることがないと思います。

2校の皆さんと出会えて幸せでした。

本当にありがとうございました。



他の2つの中学校バンドと、高校バンドのレッスンの様子は、次の記事でアップさせていただきます。

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| | 2014-02-11(Tue)11:16 [編集]