田川伸一郎のブログ

東京都の小学校バンド

昨日は、東京都の西部にある小学校へお伺いしてきました。
この冬2回目のレッスンでした。


P1260773_convert_20140214081047.jpg

この小学校バンドとは、今年で3年目のお付き合いとなります。
顧問の先生は、この学校に赴任して、初めて金管バンドの指導をされました。

「東京都小学校管楽器教育研究会」の研修会で私が講師をさせていただいた日に、初めて先生とお話ししました。
あれは、忘れるはずもない2011年3月11日のことでした。

渋谷の小学校での講演中に、震災が襲いました。
子どもたちの悲鳴、窓から見えるビルの揺れ、プールの水が大きく波立ち校庭にまで飛び出す脅威...
何が起きたのか、よくわからない午後でした。

今すぐには動かない方が安全ではと、とりあえず決められた時間まで研修は続けられました。
結局、私は帰宅困難者になり、お伺いした小学校の体育館に泊めていただくことになったのですが...

まずは、食べてパワーをつけなければと、学校の近くの空いていたお店で数名の先生方と食事しました。

その時、私の横に座って、熱心に質問をされていたのが、こちらの学校の先生でした。
途中何度も余震に怯えながらも、先生は質問を続けられました。

そして、その年の秋、レッスン依頼のメールをいただき、初めてのお伺いとなりました。


基本的な練習の仕方、バンド運営の仕方、保護者との関わり方、子どもたちの生徒指導、心の指導...
教師としてもバンド指導者としても、まだ若く経験が少ない先生のために、私は心を砕いて寄り添って来ました。

先生は、時々とんちんかんなこともやっていましたが、「それは違いますよ」と教えて差し上げると、「あっ、すみません」とすぐに改善し、子どもたちにも謝りながら軌道修正できる人でした。
いつも手帳を持ち、小さいことでも書き込みながら、勉強されていました。

そんな先生の「素直さ」が生きて、先生ご自身も子どもたちも急成長し、周囲の方々が驚くほどの良い音、良い演奏ができるバンドに育って行きました。

この学校の子どもたちは、とても純朴でかわいらしく、しかも、とてもたくましい面があります。
音楽をやるのにもってこいという感じです。

そして、保護者の方々の考え方もとても広く、子どもたちにとってバンド活動がどれほど大切な「人間としての肥やし」になっているかをよく理解でき、協力を惜しまない、とても賢い方々です。
しかも、決して出過ぎることもなく、先生の方針に従って動かれ、私のレッスンの時にも音楽室には入らず、別室で待機していてくださいます。

保護者が熱心過ぎる小学校バンドに時々見られる「保護者がバンドを仕切り、先生と同等に思って行動している。また、子どもがやるべきことまで保護者が手も口も出す」という行動が全くなく、あくまでも、後ろからサポートする姿勢を貫いていらっしゃいます。

実は、このバンドに伺い始めた頃、当時の役員の保護者の方が、「私たちも勉強したいのです。先生と子どもたちの活動を支える私たちは、親としてどう動くのが良いのでしょうか。」というアドバイスを私に求めて来られ、私はかなり丁寧に「やった方が良いこと・やらない方が良いこと」をお伝えしました。

そのアドバイスを元に、保護者の皆さんは、「親としての望ましい動き方」を話し合い、現在まで踏襲されています。

いつも駅までの送迎をしてくださる保護者の方々の口から出るのは、顧問の先生への感謝、子どもたちの成長への喜び、子どもと共に成長できる親としての喜び...私が保護者の方々から聞きたい内容ばかりです。

(時折、「私も吹奏楽やっていたんです」みたいな保護者が、顧問の先生の批判や子どもたちの演奏へのマイナス批評を私にしてくる学校もあり、私は、「こういう保護者が役員じゃ、先生は大変だな」と思うこともあるのです。)


この学校の顧問の先生、子どもたち、保護者の方々の大きな成長と心ある活動に、私は心から拍手を送っている次第です。


東京都では、今週末の土日、来週の土日の4日間にわたり、「東京都小学校管楽器演奏会」が行われます。

この小学校も出演します。

昨日は、本番を控えた練習でした。


P1260780_convert_20140214081217.jpg  P1260779_convert_20140214081201.jpg

P1260776_convert_20140214081129.jpg  P1260778_convert_20140214081145.jpg

P1260775_convert_20140214081109.jpg  P1260787_convert_20140214081240.jpg  

先生は、私の「勧め」を忠実に守り、救世軍バンドの「コラール集」を購入されて、少しずつコラールの練習をして来られています。
東京ブラスコンコードの練習を見学され、「良い音色」のイメージを持ちつつ、子どもたちに向き合って来られました。

今回も、そのコラール集の中から短い曲ではありますが、発表曲に加えていらっしゃいます。
その学びの成果は確実に出て来ていると感じました。

コラールの他、4年生を生かすための教材、「挑戦曲」の少し難しい曲...決めれた演奏時間内に、このバンドの学びをしっかりと表現するプログラムを置いていらっしゃいます。

私からの指示やアドバイスに対する「音」としての反応も、小学生としては十分です。


そして、練習に取り組む姿勢、反応、けじめ...音以外の面でも、子どもたちの大きな成長が感じられました。

寒い寒い体育館なのに、元気な返事が飛び交い、「寒い寒い~」と震える姿は見せず...
何とたくましい子どもたちなのでしょうか。

私の方が気にして、短い休憩を多めに取ってあげました。


その時間には一気に...

P1260790_convert_20140214081300.jpg

ストーブの周りに集まって、「あったか~い!!!」と。
友達同士抱き合って温めたり、中には私に抱きついて温まっている子も!(笑)
こんな子どもらしさも大好きです!

しかし、やっぱり寒かったんだね。
それを出さずに、しっかり楽器を鳴らし続ける君たちはえらい!

練習後の撤収も、私と先生がお話ししている間に、すっかりきれいに完了しました。
「協力」もバッチリです。

P1260800_convert_20140214081321.jpg
夏から久々のレッスン。
冬場の2回のレッスンで感じたこと...「君たち、本当に大きくなったね!」

身体のことだけじゃない。
音楽ことだけじゃない。

君たちが、「人間として大きくなった」ことが、一番うれしかった。

先生の熱心なご指導、保護者の方々の賢いサポート、そして、素直な心で受け止めて頑張る君たちの姿勢。

管楽器演奏会でのステージ、そんな君たちの成長を思い切り表現してくださいね。


おっと、テンポがずれるところ、難しくてまた吹き切れていないところは、最後の最後まで、夢の中でも練習しなさい!
いいね!

音程が合っていないところもけっこうあるけど...人数も多いことだし...まあいいか...

いやいややっぱりダメ! 夢の中でみんなで集まって合わせなさ~い!




今日からまた雪、明日の出演校の皆さん、何とか会場にたどりついて、練習の成果を発揮した演奏ができますように...
インフルエンザは大丈夫かな?

先生方のヒヤヒヤなお気持ちが痛いほどわかる田川です。

私は、講師としてお招きいただいています。
私も何とか会場までたどり着かなきゃ。


神様、どうか先生方と子どもたちをお守りください。


スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2014-02-14(Fri)19:16 [編集]