田川伸一郎のブログ

感激の再会~富山にて~

金曜日、富山へ向かう列車の中で、私はある青年にメールを打っていました。
打楽器のプロとして活動されている前田啓太さんです。


彼と出会ったのが、ちょうど1年前の富山県の高校レッスンでした。
お伺いした高校の打楽器パートのコーチをされている彼は、ちょうど富山での「本番」があった関係で、私と同じタイミングでレッスンにいらしていました。
レッスンのスタートの時、私に紹介されました。

「えっ...打楽器のコーチ。じゃあ、打楽器のことは、合奏中にはコメントできないな。プロが指導されているんじゃ、こんな素人にコメントされるのも不愉快だろうし...」

しかし、こんな素人でも、私は打楽器へのこだわりは人一倍強い人間です。
一応、打楽器奏者として、今もステージに立たせていただいている身です。
だから、どの学校のレッスンでも、どうしても打楽器への注意が多くなりがちです。
顧問の先生や打楽器の生徒さんたちは、「普段、管楽器の注意が多いので、ありがたいです」と言ってくださいますが。

前田さんは、「今日は、田川先生の合奏レッスンですから、私はサイドから打楽器のフォローをさせていただきます」とおっしゃっていましたが、私は、正直、「やりにくいな~」と思ってしまいました。

途中、恐る恐る、「すみません。打楽器がちょっと大きいように思いますが。あと、とても上手いのですが、打楽器だけで世界を作り過ぎて、打楽器コンチェルトのようで...管楽器とのブレンド感も足りないような...あっ、違ったらすみません。」と、いつもと違い、何とも自信なく、おどおどしながら注意してしまいました。

すると、そんな自信のない素人のオジサンの言葉にも、彼はすぐに対応してくださり、打楽器のメンバーにわかりやすく注意を出したり、マレットを換えたり、私の伝えたいことが最適な形で音になるようにと、具体的な指導をしてくださいました。
打楽器のメンバーたちも、私のアドバイスやそれを伝えた前田さんの指導に、「はい!!!」と、とても素直に従ってくれました。

「あの...もし違っていたら、後で元に戻してくださいね。顧問の先生のご意見も伺って...。せっかくご指導されたのに、本当にすみません...」

私は、打楽器のプロを前に、どぎまぎしながらレッスンをさせていただいたのでした。

レッスン後、彼は、とても丁寧なお礼のメールをくださいました。

「田川先生の合奏指導を拝見させていただき、合奏の中での打楽器のバランス、合奏全体の表現の導き方など、大変勉強させていただきました。今後またご縁がありましたら、ぜひ先生のレッスンを見学させていただけないでしょうか。....本当にありがとうございました。」

私の方からお礼やお詫びをしなければならなかったのに、私はとても驚き、感動してしまいました。

帰宅して、彼のHPを覗いてみた私は、彼の経歴や実績のすごさを知り、またまた冷や汗をかいてしまいました。

こんなすばらしい方が、私の拙いレッスンなんかに、「勉強になりました。」と、先にお礼のメールをくださるとは...
きっと「社交辞令」なんだと思いつつも、それでも、このように「相手を立てられる」ところに、彼の人柄を見るような思いがしました。

そして、そのHPで知った彼と仲間のデュオリサイタルに、私は伺うことにしました。
彼のテクニックと音楽性、お相手との絶妙なアンサンブル、打楽器演奏を通して表現したい世界観...
彼を尊敬する気持ちが大きく大きくふくらみました。

ごくたまに、彼がレッスンをしている多くの学校についての指導法の悩みや顧問の先生とのやりとりの難しさなど、「外部講師」としてのあり方について、相談を受けることもありました。

楽器の専門家であっても、一歩、「学校」という枠の中に入って指導をする時には、「技術の伝授」はもちろんのこと、「人間教育」という側面を考えない指導はあり得ません。

彼は、そういった点にも、十分な配慮がある人です。


私が、富山へ向かう列車の中で彼に宛てたメールは、「前田さんと出会えてからちょうど1年となります。今日から富山へ参ります。前田さんは、このタイミングで富山へいらっしゃいますか? もしお会いできたらうれしいですし、打楽器の扱いについて勉強させていただければありがたいです。」という内容でした。

少しして、彼から、奇跡のような返信メールが届きました。
「田川先生、こんにちは。こちらからご連絡させていただきたかったのですが、遅くなりました。 現在、私も富山にいます! 高校のホール練習には、私も立ち合わせていただきます! 田川先生がいらっしゃると伺って、狙ってレッスンを入れさせていただきました。 田川先生のご指導に学ばせていただきます。」

彼は、高校の先生から私がレッスンに来ることを聞いて、そのタイミングで富山県の学校のレッスンスケジュールを立て、富山に滞在することにしていてくださっていたのです。

ええっ! 偶然お会いできたらと思っていたのに、彼はきちんと計画して私に会う準備をしていてくださったとは...。
感激でした。

彼は、中心となる高校のレッスンを協同するだけでなく、他の学校のレッスンを見学にいらしたり、夜は食事を共にしたりと、多くの時間をご一緒してくださいました。
私も、彼の打楽器への指導を拝見したり、音楽や指導、そして教育、人間のあり方についての話をすることで、ありがたい勉強をさせていただきました。

「田川先生は、僕が、どうやって伝えようかと思っていることと全く同じことを、端的に確実に生徒に伝えられ、その手法や手だてがシンプルやわかりやすく、そうか...と思うことばかりなんです。あと、感じることが近いというか、僕が思っていると、田川先生も同じことを思って注意なさる。やっぱりそうだよなぁと確認できるんです。打楽器のことについても...」

「いやいや、僕は前田さんのような専門家ではなく、ただの元小学校教師。まして、打楽器のことは、経験と勘で言っているだけなんで、感じることが近いとか、そんなんじゃないと思います。きっとたまたまですよ。前田さんの足元にも及びませんから...そんなに言っていただけると、うれし過ぎです。」

若くエネルギッシュで、テクニックや音楽性にすぐれ、とても良い人柄と教育観を持った前田さんは、何と言っても、こんなオジサンも惚れ惚れしてしまうほどの超カッコいいマスクなのです。
生徒さんたちには、男女関係なく、そんな前田さんのファンがたくさんいます!

お会いできて、本当にうれしかったです!

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これからも、ご自身の修練を基としながら、生徒さんたちに打楽器のすばらしさを伝え、音楽家としても指導者としても大きく大きく成長していってください。

またお会いできる日を楽しみにしています!

ありがとうございました。

前田啓太さんのHPはこちらです。
http://www.keitamaeda.cho88.com/


彼が出演する秋の演奏会です。
すごいメンバーの一員として演奏されます。
もちろん、私は伺うつもりです。


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この演奏会の詳細はこちらです。
http://www.bluemallet.com/hpgen/HPB/entries/456.html

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| | 2014-06-24(Tue)18:51 [編集]