田川伸一郎のブログ

福島県から~その1・高校バンド~

先週の金曜日から昨日の日曜日までの3日間、福島県にお伺いして来ました。
今回は、初めて、「浜通り(海岸線)」から入る日程でした。
金曜日は「浜通り」の地区の高校、土曜日・日曜日は、「中通り」の地区の中学校4校にお伺いしました。



我が家のある我孫子から常磐線に乗ってひたすら北上するパターンです。
水戸で乗り換えて、さらに北上し、数えてみたら40近い数の駅を走っていました。
家を出てから約4時間...初めて降り立つ駅に、高校の先生がお迎えに出てくださいました。

こちらの高校の先生は、まだ20代の若く、やる気に燃えた先生です。
福島県内の小学校で吹奏楽を始め、「強豪校」の高校で青春の日々を過ごした先生です。
私が新浜小学校に勤務していた頃、何かの機会に、私たちの演奏を聴いてくださり、それ以来、「ファン」でいてくださったとのこと。
私のブログで、福島県の「中通り」の学校がレッスンを受けていることを知り、「自分の学校にも来てもらえないだろうか...」と考え始めてくださいました。
ちょうど昨年の今頃、「中通り」のレッスンの際に、わざわざ見学においでくださり、その思いを伝えてくださいました。
熱心で一途な先生の姿勢に心動かされ、「わかりました。いつか必ず機会を作ってお伺いします。」とお話ししました。

そして、その「約束」を果たした今回のお伺いでした。

福島県の「浜通り」は、震災でも多くの被害を受けた地域です。
生徒さんたちは、全員無事でしたが、当日は卒業式だったそうで、「打ち上げ」で海岸方面に行っていた卒業生たちは、皆、ビルの最上階で、恐怖の一夜を明かしたそうです。
先生方も、「卒業式、お疲れ様でした!」の安堵が一瞬にして...

校舎も半分が大きな被害を受け、今もまだ建設中で、プレハブ教室も使っての授業が行われているそうです。

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まだ「復興途中」の環境の中、吹奏楽部の生徒さんたちは、こんな熱心な先生のご指導の元、とても元気に活動していました。

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指揮をしていらっしゃる先生は、社会科の先生。同席してくださった副顧問の先生も、英語科の先生で、音楽科の先生は合唱部をご指導されているそうです。

この部屋に入った時、「確か40数名と聞いていたんだけど...」と思うほど、もっともっと部員が大勢いるような錯覚を覚えました。
先生が、「部屋が狭いからじゃないですか?」とおっしゃいましたが、そうではありませんでした。
ひとりひとりの演奏の姿が大きく、演奏にかける思いが強いので、きっとたくさんの「オーラ」が出ていたのだと思います。

そして、あいさつやちょっとしたおしゃべりをしている中では、とてもナチュラルで飾らない雰囲気が気に入りました。
練習のマナーなどはきちんと指導されているようですが、必要以上の「厳格さ」はなく、皆がとても自由な心で、そこにいられる温かい雰囲気を感じました。

こんなバンドにお伺いすると、何かほっとして、「あぁ、来て良かった」と思います。

はじめに、顧問の先生が指導される「基礎合奏」を見せていただきました。
とても緻密なご指導で、ほとんど口をはさむ必要はありませんでしたが、「目的」を再度確認したり、その「目的」にあった最適なやり方を確認したりしました。


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全体的に、くせのない奏法や音、そして、ブレンド感の高い、とても温かいサウンドでした。
先生の好みのサウンドづくりをされているのだと思いますが、「先生のお人柄そのもの」と言ってもいいような穏やかな音でした。

基礎合奏の中でも、ひとりひとりの奏法をチェックされたり、ひとりずつ演奏させて音色や音程を統一させようとされたり、とても細かくご指導されていらっしゃいました。
そして、生徒さんたちも、そんな練習をごく普通と感じて進めているように思えました。
つまり、退屈そうにやっていなかったということです。


次に、定期演奏会に向けて取り組んでいる「大曲」の練習に移りました。

今回のレッスン曲です。
「とりあえず音が並び、表現の指導もしてきているのですが、この先、どんな練習や表現の色づけをしていったらよいか...」という先生のお言葉に合わせた指導をさせていただきました。

演奏を聴かせていただき...

もっと場面転換をくっきりと。
様々な音楽の「色」を出して。
どんなフレーズにも「命」を吹き込んで。
何をどう伝えたいかをはっきりさせて。

様々な課題が浮かびました。

私も指揮をさせていただきながら、それらの課題をクリアする具体的な練習を進めました。

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「このようにしてみましょう」という指示による練習だけでなく、「このハーモニーの移り変わりを感じたら、そうは演奏しないはずです。何かしてみてください。そう、ハーモニーの変化を感じたら、何かしたくなるはずです。」といった「考えてもらう」練習もしました。

こういう練習で演奏の仕方を変えていくことができるすごい生徒さんたちでした。
先生方のご指導のおかげで、技術だけでなく、とても豊かな「感性」が育っていることをうれしく思いました。

こんなバンドが私は大好きです。
こんな育てられ方をしている生徒さんたちは、本当に幸せだと思います。

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「今日は咳がひどくて、楽器は吹けないんですが、どうしても勉強したくて」
と、一度も楽器を吹かずに、ずっと記録を続けながら見学していた生徒さん。
すばらしいな。


そして、このバンドの練習には笑顔がいっぱい!

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一度しかない青春の日々を、こんな笑顔と真剣さいっぱいに、大好きな吹奏楽に打ち込めて、みんなとっても幸せだと思いました。

一度の休憩もなしに、3時間以上のレッスン...私も大汗かいてやりました。

感想を聞くと...10名ほどの生徒さんたちが発言してくれました。

「めっちゃ楽しくて、何か感動して、もう心がヤバかったです。ホント良かったです。ありがとうございました!」
「自分が、素でいられるレッスンでした。こんな風にこれからも練習していきたいと思いました。」
「先生から指示されたことをやるだけでなく、自分で考えて表現しようとしたら、いつもと違う何かが出来て、私にはこんな力もあるんだとうれしくなりました。」
「みんなの音も表現も表情も、どんどん変わっていくのがわかって、とても感動しました。」
・・・・

それぞれの素直な感想を聞かせていただき、「今日、こんな良い時間を過ごせたのは、日頃の顧問の先生方のご指導がすばらしいからです。それがなければ、今日はもっとつまらない練習をしていたと思います。皆さんをここまで育ててくださっている顧問の先生方に感謝し、これからもしっかりついていってください」とまとめました。

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皆さんと出会って、僕の心も何だかとても豊かになりました。
初めて出会った僕という人間を、こんなにまで受け入れてくれた君たちの「素直な心」が大好きです。
そして、今回の機会をつくってくださった顧問の先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

練習の途中で話しましたね。
「四分音符ひとつでも、人の心をなごませられるような演奏」
「聴いてくださった方々の人生を変えられるような演奏」
・・・そんな音楽が、君たちにはきっとできると思います。
それは、「ゴールド金賞以上」の価値がある音楽です。

またお会いしましょう!



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指揮をされている先生と、同席してくださった副顧問の先生です。
「ガチガチサワー」って何だろうと注文したら...なるほどでした(笑)



次の記事では、土曜日・日曜日にお伺いした中学校4校をご紹介します。

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| | 2014-09-29(Mon)21:08 [編集]