田川伸一郎のブログ

山梨県の小学校バンド

昨日は、山梨県の小学校にお伺いして来ました。

3日間の福島県レッスンから、日曜の夜戻り、夜中と朝活でブログをアップし、9時前には出発と、ちょっとハードなスケジュールになってしまいました。(自分でそんなスケジュールに追い込んでいるだけなのですが...)

昨日は、こちらの小学校は、運動会の代休ということで、午後から夕方までのレッスンをすることが出来ました。
みんな、疲れていなかったかな?

この小学校には、2年ぶりのお伺いでした。
先生とは連絡を取り合っていましたが、昨年度は一度もお伺いしませんでした。

さらに今年から顧問の先生が代わり、もうご縁がないかなと思っていたところに、ありがたいご連絡をいただき...

「田川先生にご指導いただいた一昨年度の4年生が、今、6年生として頑張っています。その子どもたちが、田川先生を呼んでほしい、またレッスンを受けたいと、私に言って来たのです。私もぜひご指導いただきたいと思い...」と。

子どもたちが、自分たちから、私を呼んでほしいと、先生にせがんでくれたなんて...
あの頃は、まだ4年生で、私のレッスンの意味など、よくわからなかったはずです。
でも、6年生になった彼らには、それがわかるようになったのかもしれません。

子どもたちの心の中に、私という人間が生きていたことが、とてもとてもうれしかったです。
私など、とっくに忘れ去られたに違いないと思っていましたから...

先生は、「子どもたちは、田川先生のレッスンで、技術的なこと以上に『音楽』を学びたいようです。私も、自分で教えられること以上の豊かな音楽を、子どもたちと一緒に勉強したいと思っています。まだまだ技術的な課題もたくさんあるのに、『音楽』を...などと言っては失礼なのかもしれませんが、自分なりに、自分たちなりに、技術的なことは少しでも克服して、先生をお迎えしたいと思っております。」とお話しくださいました。

目の前に、何かコンクールや本番があるわけではありません。
何か本番のためにレッスンしてほしいのではなく、純粋に「勉強したい」という目的で、私をお招きくださるというのです。
ゆっくり時間を取るために、運動会の代休を返上してもいいと...

こんな先生のお考え、そして、先生が育てられた子どもたちの考えに、感動しました。

懐かしい音楽室には、以前に増して元気な子どもたちの声と音が溢れていました。
皆、どこか、興奮状態...
私も、見覚えのある子どもたちに会えて、「おぉ、立派になったねぇ~」と、まるで久しぶりに孫に会った「おじいちゃん」みたいに喜んでいました。

そして、新しい指揮者の先生と共に、「難しい曲」に立ち向かっている「強烈なパワー」も感じました。
この曲は、前任の顧問の先生が置いて行かれた曲のようで、前任の先生のお気持ちに応えるべく、先生も子どもたちも必死で練習して来たようです。


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そして、いよいよレッスンです。

まずは、全体のセッティングを大きく変更して、全員が向かい合う「四角形」の並びにしました。
チューバは、いつも指揮台がある位置に座り、バンド全体に向き合えるようにしました。

「合奏」というと、当然のように、前を向いて先生の指揮を中心に合わせていくものですが、特に小学生の場合、先生から近い位置にいる子どもや正面にいる子どもと、遠くにいる子どもや横にいる子どもとでは、コミュニケーションや視線の向け方、要求の仕方が違ってしまうことがあります。

また、先生とのコミュニケーションはしっかり出来ているとしても、子どもたち同士(様々な楽器同士)のコミュニケーションは取りづらい現実があります。

前にいる木管の子どもたちは、後ろから聴こえる金管の音にアンサンブル出来たとしても、後ろにいる金管の子どもたちは、必ずしも木管の子どもたちの音にアンサンブルしているとは言い難いものなのです。

このバンドは、今回は、技術的なことではなく、「音楽」をしたいということで、なおさら、「互いの音を聴き合い、響かせ合い、共に創り上げる」という意思を持ってほしかったので、この「四角隊形」で練習することにしました。

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練習している曲は、ストーリー性があり、場面の様子もとらえやすい曲です。
子どもたちは、先生との練習で、そんなイメージ作りもしてきたようですが、それをしっかりと「演奏」に反映させるため、漠然としたイメージや、知っているストーリーから導いたイメージではなく、「楽譜」から考える勉強をしました。

なぜ「この音」が必要なのか...
「この音」を通じて、作曲者は何を表現したかったのか...
「この音」を聴いたお客様がどんな気持ちになってほしいと思うか...
・・・・
そして、それを最大限に表現するには、どう演奏すればよいのか...


子どもたちと「イメージ」を語り合うことは多いと思いますが、その「根拠」を「楽譜」に求め、さらに、イメージしたことを伝えるための「演奏方法」を練り上げることまでやらなければ演奏の向上にはつながりません。

子どもたちがへの親しみを増すためにイメージづくりをする場合は、語り合っただけでも良いと思いますが。

今回のレッスンでは、「演奏方法」にまでつなげる勉強をしました。

音色は?アタックは?音量は?勢いは?身体のセットは?フレーズのとらえ方は?バランスは?

私からの指示にかたよらず、出来るだけ子どもたちに考えさせ、話し合わせながら、演奏を変容させていきました。

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同じ動き同士が、真ん中の「広場」に集まって、思いと表現を共有して演奏する練習は、とても効果的です。


「どんな音が必要なのか」「どんな音を出したい」「どんな表現にたどり着きたいか」ということが、子どもたちの中に落ちていくと、その真剣さと音は確実に変わっていきます。

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たくさん頭を使い、心を使い、体力を使い...
子どもたちは、「疲れた~」と言っていました。

「本当に良い練習をしたということです。よくがんばりましたね!」

皆で顔を見合わせながら、時には、指揮もなく、皆だけで演奏し、アンサンブルし...
うまくいかなくて、何度もやり直しになっている仲間を「思いやること」「応援すること」の大切さも分かりましたね。

顧問の先生も、「やはりお呼びしてよかったです。願っていたとおりのご指導をしていただき、私たちが目指すべき道が見えました。これからも、どうかお付き合いください。」と、おっしゃってくださいました。

副顧問をされている女性の先生は、今年度新規採用の若手ホープです。そして、何とこのバンドの卒業生なのだそうです。
「何だか小学生のレッスンというより、大学生のレッスンのようでした。それに、全体を見ながらも、しっかり個々への目配りをされ、優しく厳しく対応され...学級経営とバンド指導は同じなんだなと改めて感じました」と...。

このような誠意ある先生方に育てていただいている子どもたちは幸せです。


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2年ぶりに会って...指揮者の先生が代わっても、「本物の音楽」を求めて努力するこのバンドの姿勢は何も変わっていませんでした。
練習に取りかかる前のワイルドな子どもらしさが、練習に集中した時のエネルギーになった瞬間のパワーには、ものすごいものがありましたね。
この「集中」ということをさらに磨き、この難しい曲を「精神的な強さ」と「ゆるぎない結束」で完成させていってほしいと思います。

「田川先生を呼んでほしい。またレッスンを受けたい」と、顧問の先生にお願いしてくれた6年生たちのおかげで、君たちと再会でき、この懐かしい音楽室で、前のように「優しく・厳しく」のレッスンが出来ました。

また「刺激」が欲しくなったら、「田川先生を呼んでほしい」と、顧問の先生にお願いしてみてください。
君たちが精一杯努力していれば、きっと先生は君たちの願いをかなえてくださると思います。
もちろん、僕も!

これからもずっと応援しています。 がんばれ!



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| | 2014-09-30(Tue)20:43 [編集]