田川伸一郎のブログ

日本管楽合奏コンテスト全国大会・小学校の部

今日は、東京の錦糸町にある「すみだトリフォニー」大ホールで開催された『第20回日本管楽合奏コンテスト全国大会・小学校の部』に行って来ました。

例年の会場である文京シビックホールが工事中のため、この3日間(大編成)は「すみだトリフォニー」で、来週の2日間(小編成)は「かつしかシンフォニーヒルズ」での開催となりました。

この2会場は、決してこういうイベント用に設計されたホールではありませんから、主催者の方々のご苦労は想像を越えるものがあったと思います。
昨日、一昨日は、入場制限があったり、進行が相当遅れたりと、大変だったようですが、今日の小学校の部は、とてもスムーズに流れていました。

主催者の方々に、ただただ敬服と感謝のみです。

このようなすばらしいホールで演奏が出来た児童・生徒さんたちは、一生の思い出になったことだと思います。
観客も、音響の良いホールでのコンクールを、コンサートのように楽しむことができたと思います。
毎年、とても温かい司会をしてくださっている太田井稔先生が、今年も、各学校の特徴を引き出す司会で、コンサート風の良い雰囲気を作ってくださっていました。

何もかもがすばらしいコンテストでした。


今日の小学生たちの演奏は、昨年度以上にまたレベルが上がっていて驚きました。

・確かな演奏技術を身につけている児童が増えた。
・選曲がとてもよく考えられていて、バンドの実情にあった曲を丁寧に仕上げているバンドが増えた。
・指導の先生の「研究」が深まり、曲の内容にまでしっかり踏み込んで勉強した演奏が、増えた。
・児童が、自分の意思で自発的に表現している演奏が増えた。(もちろん、そう指導されているからである)
・単なる技術の鍛錬だけで演奏している学校はほとんどなく、豊かな表情で「音楽」をしている学校が増えた。
・演奏する姿や椅子並べ、ロビーや客席での行動など、「音以前」の活動に、日頃の先生方のご指導が見える団体が増えた。
・・・・・

ご指導の先生方が、バンド活動を「教育」の一環としてお考えになり、演奏技術の鍛錬と共に、「音楽性」や「人としてのあり方」を磨いておられることがよくわかり、とてもすがすがしい気持ちになりました。

コンテストですから、結果は出ます。
でも、「結果以上の学び」をすべての学校の子どもたちが積み重ねて来たことに、心から拍手を贈りたいと思います。

ステージでの演奏を聴いていると、私もこうして子どもたちと格闘して来た日々のことを思い出し、先生方のご苦労や子どもたちの努力の姿が目に浮かぶようでした。

みんなみんなすばらしい!

たまたま隣にお座りになっていらしたご老人のご夫妻(きっとどこかの学校のお子さんのおじいちゃんおばあちゃんだったと思います)が、1日全部聴き通され、次々続く小学生たちの演奏に、「日本の未来も捨てたもんじゃないな」としみじみ話しておられました。

本当にそう思います。

きっと、各バンドには、手のかかるお子さんや、特別な配慮を必要とするお子さん、学級にはなかなか居場所が見つけられず、バンドがあるから学校に来ているという気持ちのお子さん...たくさんの「事情」があると思います。

それでも、先生方の大きな大きな「愛の力」で、こんなにも頼もしい小学生たちが育っていることを心から誇りに思います。


そして、34校の出場校の中から、今年度の「最優秀グランプリ・文部科学大臣賞」には、千葉県柏市立酒井根西小学校が選ばれました。

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千葉県・柏市立酒井根西小学校吹奏楽部 (指揮 戸塚 千穂 先生)
演奏曲 『沢地萃』 (天野 正道 作曲)

*写真提供 フォトライフ様  (転載等はご遠慮ください)

私もレッスンで関わらせていただいているバンドですが、「戸塚先生から子どもたちへの信頼」と「子どもたちから戸塚先生への信頼」の強さと深さには、いつも感激します。

戸塚先生は、子どもを子ども扱いせず、子どもの可能性に限界線を引くことをしません。
そして、子どもがうまく伸びなければ、「私の指導が悪いんです...」と、ご自分を責め、そこから何とか這い上がって前に進もうとされます。

子どもたちは、そんな先生の「後ろ姿」を見て育ち、「向上心の塊」のような強い意思と「高い志」を持って、練習に取り組んでいます。

今日のステージ、「主役は子ども」でした。
先生の指揮は、とても音楽的ですばらしいことは言うまでもありませんが、決して「主役」にはならず、時に、子どもに任せる部分になると、「指揮の力」を抑え、子どもたちは「任せて!」とばかりに自発性を猛烈に増して、「自分の思い」で音楽します。
そんな「ひっぱる指揮」と「子どもに任せる指揮」の両方を絶妙に使い分けて、子どもたちを演奏者として、人間として自立させていくところに、先生の「理念」のすばらしさがあります。

そして、そんな先生と子どもたちの必死の取り組みを、誰よりも深く理解し、熱く応援してくださっているのが、渡邉美佐代校長先生です。
さっぱりとした、そして、ぽかぽか温かい、酒井根西小学校の「肝っ玉母さん」のような素敵な校長先生です。
校長先生の大きな愛に見守られているおかげで、戸塚先生も子どもたちも、安心して最大限の力を発揮することができます。

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3回目の最優秀グランプリ・文部科学大臣賞、本当におめでとうございました。


審査結果の詳細につきましては、下記のHPをご覧ください。
http://www.jmecps.or.jp/pdf/20kangakuweb1103.pdf



最優秀賞に選ばれた他の団体の中で、私は、個人的に、広島県広島市立安西小学校(指揮:藤本匡顕先生)の演奏に感銘を受けました。

昨年度もこの学校の『コタンの雪』に感動しましたが、今年は、福島弘和先生の『ひまわり』を演奏され、圧力の効いたひとりひとりの音づくりと、情感と歌に溢れた音楽に敬服いたしました。
ひとりひとりが、自分の役割を理解し切って、誇りすら感じながら表現する姿と音楽、22名とは思えない雄大なサウンドと繊細な音楽性は、心を震わせてくれるものでした。

この学校は、夏に台風で大きな被害を受けた広島市安佐南区にある学校です。
学区の被災状況はわかりかねますが、いずれにしても、大変な時を過ごされたことだと思います。
そんな中、苦労を乗り越えて努力され、大輪の「ひまわり」が東京のホールいっぱいに咲き誇った喜びに、長い長い拍手を贈りました。

これからも、小学校の小編成バンドの鏡として、ご活躍していただけたらと願っています。
いつか、安西小学校へ見学に行き、藤本先生や子どもたちから学びたいです。


開催にあたり、ご尽力くださった主催者の皆様、感動の熱演を繰り広げてくださった34校の皆さん、本当にありがとうございました。


今度の土日は、「かつしかシンフォニーヒルズ」で、中学校・高等学校A部門(小編成)が開催されます。

詳細は下記HPをご参照ください。
http://www.jmecps.or.jp/



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| | 2014-11-04(Tue)20:57 [編集]