田川伸一郎のブログ

小学校の音楽科授業研究

今日は、千葉県内の私立小学校へお伺いして来ました。

吹奏楽のレッスンではなく、授業研究会の講師としてのお招きでした。


この学校は、以前にもご紹介させていただいたことがありますが、私は年に12回のお招きの計画をいただき、それを、音楽の先生のお考えで、吹奏楽のレッスンと授業研究のために、自由に割り振って良いことになっています。

教員としては「中堅」に当たる年齢の音楽専科の先生は、音楽大学のトランペット科を卒業した先生で、私との「音楽授業研」を始める前は、研究授業らしい授業をされたことがなかったようです。

この3年間は、年に4回の授業研究に取り組まれ、指導案検討や事前授業を加えると、これまでに10数回は、「音楽授業」にかかわる勉強をされています。

先生は今、「授業が楽しい」「教材研究が楽しい」「指導案を書くのが楽しい」「子どものわずかな変容であってもうれしい」...と授業に核を置いて、教師として最高の実践の路を歩んでいらっしゃいます。
先生の授業における指導スキルの向上、指導案の書き方や内容、子どもたちの「学びの姿勢」の変容には、眼を見張るものがあります。


今回は、6年生の授業でした。

この授業のために、指導案検討もしましたが、書き換えを2回やり、さらに昨日は、本時と同じ内容を他クラスで展開し、展開してみてわかったことを踏み台として「本時」の授業に臨みました。

午後は、授業研以外の児童は、完全下校させ、全職員が参加しての大きな校内研究会として実施されました。
音楽の授業研究のために、全職員が授業をカットしてまで研修に参加するということは、特別な研究校でもない限りなかなか難しいことです。
そのような設定をしてくださった学校側の見識の深さに感銘を受けました。


題材は、「曲想を味わおう」でした。
『旅立ちの日に』を教材に、この曲の歌詞と旋律との関係を探りながら、表現を工夫していく授業でした。


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授業を真剣に参観される先生方です。

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児童に見えない位置に、成果と課題を付箋に書いて貼る表があり、
先生方は観点を定めて記入し、貼っていきます。



驚くべきは、授業後の全体協議会でした。

先ほどの「付箋表」や「授業記録」は、すでに印刷され、全員に配布されています。

それを参考にしながら、低・中・高学年ごとのプロックに分かれ、さらに、「成果と課題」を洗い出して行きます。

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小学校の全職員の研修で「音楽科」の授業研究がセットされても、「音楽はわからないので」と恥ずかしげもなく言ってしまえる現実があります。
小学校の教員免許状には「音楽を除く」なんて書いていないのに、何故「音楽はわからないので」と言えてしまうのでしょうか。 「算数はわからないので」とは言えないでしょうに...

協議をしても、「みんな笑顔で参加していて」とか「とてもなごやかな雰囲気で」とか、学習内容以前の「状態」についての感想を述べることが多いものです。

今日の協議会では、担任の先生方が「音楽科という教科の本質」に触れた内容での話し合いが進んでいることに驚いてしまいました。
先生方の日頃の授業研究は、国語と算数を中心におこなっているようですが、その研究での「学び」の深さが、「音楽科」でも十分に活用されているのだと思います。

そして、授業を受け持っていない学級担任の先生方(この学校は全学年の音楽を専科の先生が担当されます)も、「音楽」という教科が、子どもたちにとってどれだけ大切なものであるかを承知してくださっているのです。

ブロックごとの話し合いのあと、その話し合いで出た内容を短冊に書いて、一覧表に貼り出し、意見交換がなされました。

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ここでも、音楽科の特性に触れた質の高い話し合いが進み、私は、感動と感心で胸がいっぱいになりました。
この学校の先生方の「学びへの真摯な態度と力量の高さ」は、尊敬すべきものです。

そして、深い協議の後、私の「講話」の時間となりました。

「音楽科教育」についてだけでなく、「教育」の根本にかかわる話も織り交ぜながら、お話しさせていただきました。

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教育の最終目標は、「自立」と「自律」です。

そのために、子どもたちに、いつどこで何を与え、どこで見守り、どこで手を出して支え、どこで引っ張り、どこで後押しをし、そして、どこで手を離すか...それを適切に見極める力が、教師にとって、とても大切なのではとお伝えしました。


子どもは、出会った先生によって人生が大きく変わることすらあります。

そんな神聖で気高い仕事に就かれ、日々精進されている先生方のために、これからも私に出来る形で共に歩もうと決意を新たにした1日でした。

先生方のおかげで、私も一歩成長させていただきました。

ありがとうございました。


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| | 2014-11-14(Fri)18:00 [編集]