田川伸一郎のブログ

埼玉県の小学校バンド

今日は、埼玉県の小学校へお伺いして来ました。

夏以来、久しぶりの再会でした。


楽器屋さんの車で駅から学校まで送っていただくと、廊下で会った子どもたちが、きちんと立ち止まり、私の眼を見て、「田川先生、おはようございます。今日はよろしくお願いします。」と、丁寧に挨拶してくれます。

前は、其処かしこから、「おはようございま~す」と、たくさんの声が束になっていたのですが、今回は、「個別化」されていました。

顧問の先生のお考えで、「ひとりひとりがきちんと相手を意識して、丁寧にあいさつする」ということを、今、大切にご指導されているそうで、それに従って、子どもたちがあいさつしてくれたのでした。

でも、そのあいさつが、「やらされている」感や儀式感がなく、みんないい笑顔、爽やかな声、しっかりとした眼...とっても感じがいいのです。
こちらも、ひとりひとりの眼を見て、「おはよう!頑張ろうね!」と返せました。

顧問の先生は、「バンド活動を通して人を育てる」という信念をもって、ご指導に当たられているすばらしい方です。
そういう面で、私のレッスンをとても大切に受けようとしてくださり、私も先生と共に「子どもを育てる」ということについて勉強させていただけることに感謝しています。


そんな先生の元、活動する子どもたちは、夏から大きく大きく育っていました。

何よりうれしかったことは、大勢いる6年生が、とても健康的に大きくなっていたことでした。
このバンドは男子もとても多いのですが、背も伸び、声変わりもし、ニキビもポツポツ出始めているほど「大人」に近づいている子もいます。
女子も、どことなく大人っぽい顔つきになり、「中学生かな?」というほどの姿の子もいます。


こういう成長期に、ともすれば、「勘違いの大人ぶりをした『困ったちゃん』」が、わざとしらけた顔をしたり、億劫そうに行動したり、きちんと立たず、斜めにだらしなく立ったりすることがあります。
女子の場合は、前髪を伸ばして顔を隠したり、長袖の袖を長くして手を先まで袖に入れたりします、
そういう空気は、嫌な雰囲気を醸し出し、伝染して、皆の返事が小さくなったり、感じ悪い笑いが出たり、集中力が無くなったりします。
「卒業」や「引退」が見え始めた時に、全力でラストスパートするのでなく、何となく手抜きムードにもなったりします。
夢中で頑張れた入部当時の活気は何処へ、だらだらと惰性で練習に来ているような態度の子どもが出ることもあります。

しかし、このバンドの6年生たちは、とても明るくふるまい、声変わりした低い声の子も元気よく「はい!!」と返事をし、真剣に話を聞き、楽しい時は大きな声で笑います。
そして、表情もとても柔和です。

今日は、そんな子どもたちの姿に感動し、まず褒めることから始まって、少しだけ「心の話」をしてから練習に入りました。

3学期にある埼玉県の管楽器演奏会に向けての曲の練習でした。

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先生に指揮をしていただき、一度通して聴かせていただきました。

とても真面目にきちんと練習して来た跡が見られる演奏でした。

「ここまで出来ていて、こんないい雰囲気だったら、今日だけでも、どんどん上手になりますよ!頑張りましょう!」と、レッスンをスタートしました。

今日は、いつも以上に「上手くなるぞオーラ」が強く出ているのを感じました。
久しぶりのレッスンで、とても楽しみにしてくれていたのも分かりました。

レッスンは、指示の言葉を出来るだけ少なくして、子どもたちに発問して考えさせたり、手だてを与えて感じ取らせたり、話し合ったことを音につなげる方法を考えさせたり...と、授業のような「子ども主体」の流れと手法で進めて行きました。

子どもたちから、「上手くなるぞオーラ」が出ている時には、こういうやり方がまず成功します。

子どもたちの演奏がぐんぐん変わって行きます。
そして、良いタイミングで、「まだ先生は何も教えていないよね。みんなすごいなぁ。自分たちでどんどん良くなっているね!」と、褒めまくりです。

子どもたちは、ますます「オーラ」を出します。
相乗効果というものは、すごいパワーを発揮します。


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変化していく曲のニュアンスを、様々な手立てで感覚的にとらえさせ、それにふさわしい奏法や表現を工夫させていくのは、とても楽しい勉強です。

感じたことを言葉に置き換えて伝えることは、とても難しいことですが、そういう学習の仕方にも、このバンドの子どもたちは、ずいぶん慣れて来ました。

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手も使って、感覚的に音楽をとらえます。

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感じ取ったことを自分の言葉で発表します。  「なるほど、すばらしい!」 なでなでもうれしいね。

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指揮に合わせるのではなく、主旋律の児童が工夫した表現に伴奏が寄り添っていきます。
アンサンブルとしての合奏練習です。
集中力のある時には、とても効果的です。



3時間のレッスンは、休憩10分だけで、全くだれることもなく、「え~、もう時間ですかぁ?」と皆でびっくりするほど早く進みました。
こういう時は、皆が本当に集中して良い練習をしている時です。

私も、「もっともっとみんなと練習したいなぁ」と本気で思い、先生の許可もいただいて、20分ほど延長してやらせていただきました。

今日の変容は、今までになくすばらしかったです。

レッスンが終わって、私が玄関近くの部屋でお茶をいただいている間も、まだ復習している音が鳴り続けていました。

子どもたちのはつらつとしたやる気、自らの意欲、そして、音楽を楽しんでいる鼓動が伝わってきました。

もう一度、音楽室に行っちゃおうかなぁ...でも、「さようなら」しちゃったし...諦めよう...
と残念な気持ちになるほど、上から聴こえてくる子どもたちの音が私の心に響きました。


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顧問の先生の「心を育てる指導」のおかげで、皆が、とても健康的に育ち、こんないい雰囲気を作り出していることに感動です。
今日は、クリスマスですね。
君たちから、とても素敵なクリスマスプレゼントをもらったような気分です。
明るく爽やかな笑顔、真剣で活発な学び、そして、大きく変容した音楽。
今年ももうじき終わりです。
最後に近づいたレッスンで、こんなに感動できて、とても幸せでした。
埼玉県の演奏会まで、まだまだ上手になって、当日も、「健康的に育った姿と心と音」を表現してくださいね。

先生、今日も、「バンド活動を通して人を育てる指導」を学ばせていただきました。
ありがとうございました。


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| | 2014-12-26(Fri)21:48 [編集]