田川伸一郎のブログ

東京都の小学校バンド

昨日は、東京都の小学校にお伺いして来ました。

区部にありながら広々とした新しい校舎は、冬休みに入ってシーンと静まり返っていました。
音楽室から聴こえる元気な楽器の音だけが、「人の気配」という感じでした。

昨年度末の3学期以来、久しぶりのお伺いです。
今年度のチームになってからは初めてのレッスンで、とても楽しみにしていました。

都心の学校のやむを得ない事情として、「中学受験生」の一時休部があります。
このバンドの中でも、数名が受験が終わるまで休部しており、全員そろっての活動が出来ないようですが、常時練習に参加できるメンバーでしっかりと演奏を作り上げられるようにパート配置にも配慮しているようです。

顧問の先生は、この学校が初任校という、まだお若い女性の先生です。
とても勉強家の先生で、東京都の小管研にも積極的に参加して、指導力を付けておられます。
このバンドの指導も6年目となり、子どもや保護者との信頼関係もバッチリ。

音楽室は、とても明るく温かい雰囲気の部屋ですが、この部屋で活動する子どもたちが、まだとりわけ明るいのです。

「おはようございま~す!」と元気なあいさつをした後は、ひょうきん者の男の子たちを中心に、「あのね、先生」と競ってしゃべります。
私も楽しくなって、たくさんたくさんおしゃべり。

若い先生がご指導されるバンドらしく、「ビシッと躾けられたバンド」というより、皆が兄弟姉妹のように開放的でなごやか、言いたいことを言って、やりたいことをやっているという自由奔放さがありました。

それぞれの教室で、それぞれの生活をし、この音楽室ではたくさんの個性が明るさとなり、先生への信頼の元に、とても良い形で結び付いて、バンド活動での自己実現につながっているんだなと感じます。

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しゃべるだけしゃべって、皆の気持ちが安心してから、いよいよ練習に入りました。

曲は、2月にある「東京都小学校管楽器演奏会」で発表する邦人作品です。
「この演奏会に向けて、大きな曲にじっくりと取り組んでみたい」とおっしゃる先生と相談して選曲した、このバンドにはややハードルが高い曲です。

子どもたちは、「難しいけれど、場面が色々変わっていくし、努力して演奏出来たら、達成感があると思います。」と口々に話していました。
明るい挑戦心や冒険心の強いこの子どもたちには、ぴったりの曲想をもった曲です。

「技術の壁」を少しずつ丁寧に乗り越えながらも、この曲の「曲想」を常に味わいながら練習することが大切だと考え、「技術と表現を一体化して進める練習の手法」をアドバイスさせていただきながら、レッスンを進めました。


丁寧にゆっくり練習することはとても大切ですが、その中で「フレーズ感」や「横の流れ」が失われ、子どもたちが「縦に合わせること」「拍節的に演奏すること」だけに意識が向いてしまうと、あとで「音楽」にすることがとても大変な作業になります。

このバンドの子どもたちのように、「ノリがいい」場合は、「練習の行き先」を時々味わわせ、それから元に戻るという形での指導が効果的です。

まだ「完全」でなくても、本番テンポで演奏させ、フレーズのまとまりや横の流れの感覚をつかませます。
それから、技術的に不完全な箇所を確認しながら丁寧に練習します。
この練習を繰り返していくのです。

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低音楽器が充実し、しっかりした音を出していました。 チューバは、もう一人いるそうです。


「子どもたち同士のコミュニケーション」、「私と子どもとのコミュニケーション」を取りやすい「コの字型セッティング」に替えてレッスンです。

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フレーズ感豊かに演奏するトランペット君をお手本に練習。   ホルンも充実。

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フルートやクラのソロは、アーティキュレーションにも気をつけて、丁寧に練習です。

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「5/8拍子」の怪しげな場面を表現するために、身体で拍子感をとらえます。
謎の手法?です。  これはなかなかうまくできず、冬休みの宿題になりました。


練習前のおしゃべりのにぎやかさが、音楽のにぎやかさ、そして、けじめのある真剣モードに変わっていくエネルギーは、このバンドの「生命力」とも言うべきものです。

いいなぁ!

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そして、休憩時間は、まだにぎやかな子どもたちに戻ります。

「7分間休憩ね。」と休み時間終わりの時間を指定しておいたら、自由気ままに休み時間を過ごし、さわぎ、そして、全員が約束の時間に席についていました。

こういうしっかりとしたけじめが、私は大好きなんです。

そして、ラストスパートで、一気にまとめ。

「曲のイメージがわかり、これから練習しなければならない課題もわかりました。」
「楽譜に書いてある記号の様々な感じ方がわかりました。」
「フレーズのまとまりやブレスをどこで取るかなどがわかりました。」
「とても楽しく、しっかりと教えてもらえました。」
「身体で拍子を感じる練習をしっかりやりたいと思います。」
・・・・

たくさんの感想を話してくれました。

先生との「事後研修」も、長時間にわたり、生徒指導や児童理解面のこと、音楽授業とのリンクのこと、学校の中でのバンド活動の価値の広げ方、打楽器のチューニングのこと、心を育てるバンド指導について...たくさんたくさんお話ししました。

先生は、このバンドの子どもたちが大好きです。
この子どもたちのためなら...と献身的にご指導に励んでおられます。
事後研修の時間も、先生の眼は、このバンドの子どもたちと同じようにキラキラ輝いていました。

子どもたち、こんな素敵な先生に出会え、日々楽しく音楽活動が出来て、幸せだなぁ!


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おしゃべりの時間も、練習の時間も、夢中な君たち!
明るく、屈託のない子どもらしさがいいね!
君たちにぴったりのこの曲も、まだまだ乗り越えなければならないハードルがたくさんあります。
でも、君たちなら、きっとやりとげられるね。
これからも、今日お話しした「コミュニケーション」と「けじめ」の大切さを大事にして、元気に活動していってください。
1月にもう一度会えることになっています。
その時までにどれだけ成長できますか?

楽しみにしているよ!


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| | 2014-12-27(Sat)18:57 [編集]