田川伸一郎のブログ

2つの高校の真摯な演奏会

昨日は、昼間は東京都のレッスン校の定期演奏会のリハーサルと本番、夜は船橋市立船橋高校の定期演奏会に行って来ました。

年末押し迫るなか、両校とも気合いの入った取り組みでした。

東京都の高校は、先日のレッスンで指摘した点をほぼすべてクリアし、昨年度よりも高いレベルで演奏していました。
事前の学校リハが良かったとみえ、リハーサルは、とてもスムーズに進みます。

ここ数日間、インフルエンザで数名が休み、昨日もギリギリセーフでリハーサルの後半から参加した生徒さんもおり、ヒヤヒヤものでした。
しかし、そういう「危機感」を感じさせないチームワークは、日頃から培われた力の発揮どころでした。

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本番スタートです。フラッシュ無しの撮影は許可でしたので、1枚だけ撮らせていだたきました。

1曲1曲を、とても丁寧に、そして、念を押しながら味わって演奏している感じがとても良かったです。
その曲らしさを、曲ごとに切り替えながら演奏していて、「練習したことを出す」という以上の「本番で作り上げる」といったライブ感もあり、とても感動しました。

お客様の入りも昨年以上で、一段と大きな拍手は、生徒さんたちの心をますます盛り上げ、演奏会はどんどんヒートアップしていきました。

演奏会は、演奏者と聴衆が一緒に作り上げるもの...まさにそんなことを改めて感じた演奏会でした。


時間の関係で、少し早目に失礼させていただき、千葉の習志野文化ホールへ。
市立船橋高校の定期演奏会は、今年は、初めて3公演です。
21日には別のホールで開催、昨日も昼・夜2回公演でした。
この高校の演奏会の人気は高まる一方です。

こちらも、やはりインフルエンザの流行で、全員そろっての練習がなかなか出来なかったようですが、本番に至っては何のその...しっかり跳ね除けて135人全員で立派なステージを作り上げることか出来ました。

このバンドを率いる高橋健一先生は、私の大切な友人のひとりで、「心を育てるバンド指導」に徹するすばらしい教育者です。
私の教え子たちも、何人もこのバンドで先生に育てていただきました。

この数年、このバンドには退部者がひとりもいません。
相当ハードな活動内容で、年間の休みも数日しかないという中、3年間、ひとりも辞めないということがどれだけすごいことであるか。

部員数はやたらと多く、コンクールでも高い結果を出し、しかし、実は退部者も多いというバンドならいくらでもありますが。

当然のことながら、辞めたくなることはあるに決まっています。
その時に、どうするか...
いや、そうなった時に救える環境を作ってあるか...

高橋先生は、このバンドの中で、徹底的に「コミュニケーション力」を育てておられます。
生徒同士が本気で関わる、先生と生徒が本気で関わる、チームが世の中と本気で関わる...
その中で、他人を認めて受け入れ、自分自身を認めて受け入れ、その温もりの中で「自己変革」をさせていくという教育のスパイラルを具現化しています。

定期演奏会のステージには、このバンドの素晴らしさが全て表現されます。
お客様の和やかな笑顔を引き出す楽しい演出はあっても、自分たちだけが悪ノリで楽しんでいるような軽薄な演出はひとつもありません。
ゆっくり音楽を聴きに来たはずのお客様を立たせ、無理矢理踊らせたり、下品な演出でレベルの低い笑いを取って沸かせたりするような「ウソの一体感の強制」など全くありません。

全てが「本気」、全てが「表現」、全てが「誠意」です。
このような演奏会こそが、スクールバンドの目指すところだと私は思います。
言葉では表現できない感動が、このバンドの演奏会にはあります。
遠方の方々も、来年度の演奏会には、飛行機を使ってでも、お泊まりになってでも、行かれることをお勧めします。

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吹奏楽指導者である以前に、最高の「教育者」である高橋健一先生です。
私が尊敬する偉大な友人のひとりです。


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               新浜小学校で最後に教えた子どもたちも、2名がお世話になりました。
               この部活で3年間をやり通し、大きく大きく成長しました。
               小学校4年生から9年間の吹奏楽生活のフィナーレが
               このステージで良かったね。




1日に2校のバンドの「大切な時」に同席させていただき、感謝しています。
スタイルや規模、レベルは違っても、「真摯に音楽する子どもたち」は美しいです。

顧問の先生が、どのような心構えで生徒と向き合っているか、音楽と向き合っているか、足を運んでくださるお客様と向き合っているか...それが全てわかります。

つまり、演奏会には、顧問の先生の「お人柄」「人間観」「音楽観」「教育観」が全て出るということです。

コンクールでは強いトップバンドが軽薄な内容の演奏会をすると、特にそれにあこがれる年少者は、「これがいい演奏会なのだ」と勘違いの学習をしてしまいます。
そして、自分たちも、「そうしたい」と願うようになってしまいます。

しかし、顧問の先生の正しい判断によって、それを阻止することは出来ます。
まずは、「強いバンドがやっていたから」などと形だけで流されることのない、ご自身の「軸」をしっかりと持たれることです。

これは、演奏会だけでなく、コンクールにも日頃のバンド活動にも、もちろん学級経営や授業にも共通して言えることです。
生徒さんたちから離れる年末年始に、そんなご自身の「軸」を見直してみるのも良いことだと思います。


2校の先生方、生徒の皆さん、心から感動できる真摯な演奏会を、ありがとうございました。

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| | 2014-12-29(Mon)12:45 [編集]