田川伸一郎のブログ

夢の実現への大きな一歩

昨日は、東京ブラスコンコードの1日練習に参加した後、新浜小学校時代の教え子のひとりと再会しました。

2013年の1月に、『ある教え子の旅立ち』という記事を書かせていただきました。

昨日は、彼との再会でした。

2013年1月のブログです。
http://schoolbandsupporter.blog24.fc2.com/blog-entry-546.html

一部をコピーアップさせていただきます。

今日は、夕方のわずかな時間でしたが、新浜小学校時代の教え子と会いました。
突然の電話で、3日後にはパリに向けて旅立つということを知らさせ、急遽、お互いに都合をつけて会うことにしたのです。

彼は、小学校4年生から吹奏楽部に入り、トランペットを始めました。
もちろん、初心者で入ったことは言うまでもありませんが、天性とも思える楽器との相性だったのか、私が教える以上に自分自身で楽器の技術を身につけていってしまったような「天才少年」でした。
6年生になると、読譜力も付き、ハイトーンをいくら吹いてもバテない良い奏法で、ポップスでもバロックでも楽しげに吹くようになりました。
中学校でも高校でもトランペットを続け、高校3年生では普門館での全国大会で1stトランペットを朗々と奏で、私を泣かせてくれました。

東京芸大を目指して一浪だけしましたが、夢叶わず、私立の音楽大学に進学しました。

彼の猛勉強と猛練習の様子に、彼が師事し、尊敬していた大学のアンドレ・アンリ先生が、更なる勉強の仕方として、フランスへの留学という道を示してくださいました。
悩みに悩んだあげく、ご両親のご理解はもちろん、たくさんの方々の支援を受け、彼は、先生からのありがたいお言葉を真剣に受け止める決心をしました。
フランス語の勉強にも時間を割き、「日仏文化協会」の方々にもたくさん助けていただきながら、準備を進めました。

彼が入学するのは、パリにある「CRRコンセルヴァトワール・リュエイユ・マルメゾン音楽院」です。
アンドレ・アンリ先生が紹介してくださったエリック・オビエ先生に師事します。
エリック・オビエ先生も、彼があこがれていた偉大な先生です。

昨年10月、フランスで受けた試験にも合格、入学が決まりました。

彼の夢は、今、大きくふくらんでいます。
リュエイユ・マルメゾン音楽院を修了したら、パリ国立高等音楽院に進学したい...
夢のとおりにはいかないたくさんの困難が立ち塞がっていることも、彼は理解しています。

その困難の壁が目の前に現れた時、どうするのか...
そこで、彼の生き方が試されると思います。



そんな彼が先日くれた1通のメール...

「先生、お久しぶりです。
長い間ご連絡出来ず、大変申し訳ありませんでした。

本日、最後の試験に合格し、無事にパリ国立高等音楽院へ行くことができることになりました。

やっとではありますが、田川先生に良い報告ができることがとても嬉しいです。
フランスに来て、とても充実した日々を送れています。
フランスへの留学という選択が僕にとって正しかったと感じることができます。
とにかく全てが勉強になっています。

田川先生との出会いが僕の運命を変えてくださったことを忘れません。
事があるごとに僕はいつも感謝しています。

是非、先生とお話したいです。
三月に一ヶ月程帰国することになりました。
お時間ございましたら、お会いすることはできますでしょうか。」


・・・パリ国立高等音楽院に合格?!
・・・えっ! ほんとに!

パリ国立高等音楽院と言えば、世界有数の音楽学校です。
ドビュッシーやラベル、トランペットのモーリス・アンドレも、この学校の卒業生です。
そこに彼が合格?!

パリ音に学ぶことが彼の夢であったことは聞いていましたが、かなりの確率で難しいのではと、私は密かに思っていました。


そして、昨日の再会でした。

少し大人びた、しかし、どこかに小学生の時のしなやかさを残した彼の表情や語り口。
しかし、一緒にいた約4時間、ほとんど彼が話し続けていたほど、彼の体験や学びは、あまりに大きく、そして、謙虚でした。

そして、勉強は音楽だけにとどまらず、もっと大きなスケールに広がっていました。

世界から勉強に来た様々な国の友達と心を通わせるために、英語・フランス語だけではなく、韓国語・スペイン語・イタリア語なども、少しは使えるように勉強したこと。
教育のあり方を学ぶためにフランスの小学校にも見学に通ったこと。

日本人として見た世界、フランスに住んで見つめた日本...日本に帰ったら、音楽や文化の交流、そして、人と人とのつながりの中で、伝えたいことが胸いっぱいに膨らんでいるようです。


入学試験の課題曲の一曲は、試験一ヵ月前に発表になるそうです。
他の一曲は、二ヶ月ほど前に発表になるそうです。
新曲の初見演奏も...
とても難しく厳しい試験が課せられます。

現在のパリ音のトランペット科の在籍者は、三年生ゼロ、二年生3名、一年生1名の4名だそうです。
日本人はいません。

正式公開はされていませんが、今回の受験者は130名程度いたようです。
もちろん、世界中から受けに来ます。
3日間におよぶ一次試験で10名に絞られ、1日かけて行われる二次試験で、合格者が決まります。

今回の合格者は、彼一人だったそうです。
しかも、現在の在籍ではたった一人の日本人となります。

信じられません...

日本の「文化庁」の奨学金を受けることも出来、慎ましい生活をしている彼は、アルバイトの必要もなく、勉学に専念できているそうです。
ありがたいことです。

5月には、日本で、師匠のアンドレ・アンリ先生、エリック・オビエ先生と共に、コンサートの予定もあるそうです。
また、学校が始まる今年の秋までは、日本とパリを行き来しながら、勉強や演奏活動をする予定だそうです。

彼に、その成長のコツを聞いてみました。

「特別な方法などありません。謙虚に、コツコツと積み重ねることです。そして、自分の考えをしっかり持ち、軸をぶれさせないことです。」と...

私が先生方や子どもたちに話す「コツコツと」とは違う、何かとても重く深い「コツコツと」でした。
笑顔で話す彼でしたが、とてつもなく強い「意思」を感じました。

彼の夢は、トランペットのプロ奏者として、トランペットのさらに深い魅力や音楽の楽しみ方を伝えていきたいということです。

大きく大きく広がる夢を、生き生きと追いかけてほしいです。

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君の「夢」の実現を、僕も一緒に夢見ながら、応援しているよ。
がんばれ、加納尚樹君。



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                    先日の武藤君に引き続き、特別公開です。
                    新浜小学校時代の加納尚樹君です。
                    『はてしなき大空への讃歌』(八木澤教司)を演奏しています。



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| | 2015-03-23(Mon)21:44 [編集]


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| | 2015-03-25(Wed)18:49 [編集]