田川伸一郎のブログ

函館から~5月・その1~

5月2日から昨日5日まで、北海道函館市にお伺いさせていただきました。

平成5年に、函館のある先生が私の当時の勤務校・市川市立大柏小学校に見学にいらしてくださったことが、私と函館とのお付き合いのスタートでした。

その後、毎年のように夏のレッスンにお招きいただき、お付き合いさせていただける先生方や学校の数も、どんどん増えていきました。

私が教員を辞めて今の仕事になってからは、一気にレッスンをご希望される学校も増え、毎年、年に3~4回お招きいただいています。

毎回、レッスン希望校を、中心になる先生が取りまとめてレッスン計画を立て、移動や食事のことまで含め、綿密なスケジュールで私を招いてくださいます。

先生方が、温かく細かい気配りをしてくださるおかげで、かなりハードなスケジュールにもかかわらず、身体と心の疲れが最低限に抑えられるのは、とてもありがたいことです。


今回は、小学校2校、中学校6校からお招きいただきました。
中学校のうち4校は、初めての出会いでした。

ゴールデンウィークも返上して練習に取り組む、熱心な先生方や子どもたちとの出会いを楽しみにお伺いさせていただきました。


この8校の練習の様子を2つの記事でご紹介させていただきます。


1校目の小学校です。

昨年度は、6年生が5名しかおらず、とても苦しい年でした。

コンクールで演奏した曲では、ソロの一部を5年生が担当し、それでもすばらしい演奏と成績を残すことができました。

今年は、去年の試練を乗り越えたたくさんの子どもたちが6年生になり、安定したスタートを切ることができました。

はじめに聴かせていただいた『八重の桜』では、子どもたちが奏でる音1つ1つに心がこもり、とても感動しました。

レッスンでは、その「音」の質をさらに高めるための具体的な練習方法、そして、譜読みを始めたばかりではありますが、コンクール曲の練習のポイントを提案させていただきました。

昨年度以上に音楽的に深い演奏ができそうな予感がしました。

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昨年度の試練を自信に、たくましく成長した姿と音で、今年度の初レッスンを受けてくれましたね。
ひとりひとりがの「音」をさらに高めること。
楽譜の裏にある「音楽」を感じて、それに合った「音」で演奏すること。
小学生としては、レベルの高い「宿題」を出しましたが、君たちなら乗り越えられる「ハードル」だと思います。
次回のレッスンで、どんな演奏を聴かせてくれるのか、今から楽しみにしていますよ。
がんばれ!





2校目の小学校です。

この小学校は、20年前、私が函館で初めてお伺いさせていただいた学校です。

今の保護者の中には、当時の部員だったという方もおられ、時々、「親子2代で田川先生にご指導いただけて幸せです。」とごあいさつしていただき、感無量です。

昨年度は、たくさんの6年生がおり、かなり上手な「プレイヤー」もいました。
下級生の中には、そんな6年生に頼っているような面も少し見られたのですが、代が替わり、6年生が抜けての初レッスンでは、昨年と別人かと思うほどのしっかりした音と演奏を聴かせてくれている子もいました。

6年生が卒業した途端、猛烈にがんばったようでした。

新部長君のあいさつも、昨年度の立派だった部長君の良いところを真似て、とてもしっかりハキハキしていました。

レッスンでは、コンクール曲の「シンプルかつ効果的な練習方法」を提案させていただき、その効果を実感していただきました。

今年の演奏も、とても楽しみなバンドです。

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20年前、同じこの部屋で、君たちの大先輩が、私のレッスンを受けていたんですよ。
その「時」が、今につながっています。
音楽を通した「出会い」ってすばらしいものですね。
熱心な先生方、保護者の皆さんに見守られ、この部の伝統に今年の足跡をしっかり残していきましょう。
がんばれ!





中学校の1校目です。

何度もブログでご紹介させていただいている木古内町立木古内中学校です。

昨年度までご指導されていた中條淳也先生が転任され、副顧問を務められていた欠直哉先生が主顧問としてご指導にあたられています。

昨年度、一昨年度と、2年連続で「東日本学校吹奏楽大会・金賞」という成績を残してきているだけに、先生は大きなプレッシャーを背負いながら毎日を過ごされていらっしゃいます。

しかし、そんな先生を支え、安心させてくれているのが、この部の優しい生徒さんや保護者の方々です。
コンクールも大切ですが、この部のモットーは、「真心の音楽」です。
地域の方々に、精一杯の「真心」を届けるために、日々練習をがんばっているのだということを、皆がしっかりと心に据えながら活動しています。

今年のコンクール曲は、昨年までとは全く違う雰囲気のスペインの曲です。
今年度も、私にアレンジをご依頼くださいました。

1年生も含めて約30名の部員たちは、とてもていねいに譜読みをしてくれてありました。
スペインの太陽のように、カラッと明るい雰囲気で練習を進めていってほしいと願いました。

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全校生徒110数名のうち、約30名が吹奏楽部員。こう考えるとすごい入部率です。
今年も、町の皆さんを幸せにする「真心の音楽」を奏でていきましょう。
誰かのために、一生懸命頑張っていたら、結局それは自分のためになる。
自分のために、一生懸命頑張っていたら、結局それはみんなのためになる。
・・・それが吹奏楽のすばらしさですね。
ふぁいと!





2校目の中学校です。

このバンドには、3年間お招きいただいています。
一昨年度は、木古内中学校と共に「東日本学校吹奏楽大会」に出場し、共に金賞を受賞しました。
昨年度は、部員数も増え、A編成に出場しました。
今年も、その方向で進んでいます。

今年は、1年生が35名も入部し、レッスンのはじめには、1年生合奏を聴かせてくださいました。
ほぼ全員が初心者ですが、『合奏の種(ブレーン社)』を効果的に使って、伸び伸びと音出しの練習をしています。
1年生に、「なぜ吹奏楽部に入ったのですか?」と聞くと、多くの1年生が、「小学校に演奏に来てくれた時に、かっこよかったから、中学校に行ったら入ろうと思っていました。」と話していました。
小学校への訪問演奏が効を奏していることがわかりました。

このバンドは、課題曲のマーチとバッハの曲を練習していました。

バッハの曲のレッスンでは、この曲の演奏に必要な「音楽的基礎合奏」をさせていただきました。
顧問の先生も、見学にいらしていた先生方や卒業生、そして部員たちも、「なるほど~・・・」とため息でした。

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1年生合奏も、大変立派でした。期待の星です。

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今回のレッスンでは、音楽の基本、そして、音楽の奥深さに触れることができましたね。
まだまだ計り知れない音楽の世界を、課題曲・自由曲の2曲から学び取ってほしいと思います。
私のレッスンの時に、いつも卒業生がたくさん会いに来てくれます。
しかも、きちんとした態度で一緒にレッスンを受けているごとく、学びの心を見せてくれます。
音楽に対する謙虚な態度、慎ましい姿勢が、この部を大きく大きくしているのだと思います。
「深遠なるバッハの音楽」への挑戦に期待しています。


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訃報~井上謹次先生 ご逝去

井上謹次先生が、12月20日火曜日の朝、心不全によりご逝去されました。

前兆もない突然のご逝去でした。


謹次先生のご遺志と奥様の文子先生のご意向により、お通夜も告別式もせず、本日午後、ごく親しい方々とだけお別れをして、荼毘に附されました。

本日は、先生に大変お世話になり続けた東京ブラスコンコード、ブルースカイウィンドアンサンブル、かわもとウインドアンサンブルの団員、長く教鞭を執られた東京立正女子高等学校の卒業生の方々、そして、特に個人的にお世話になった方々でお見送りさせていただきました。

今日までは、広く皆様にはお知らせをしないでほしいということも、おふたりのお気持ちでした。

ブログをお読みになって、初めて訃報をお知りになり、「早く知らせてほしかった」というお気持ちの方々、申し訳ございません。
事情をご理解いただき、どうかお許しください。


私が、井上謹次先生率いる東京立正女子高等学校吹奏楽部の演奏を初めて聴いたのは、中学生の時でした。
あまりの「美しい音と音楽」に、衝撃を受けました。
高校生になってからも、定期演奏会には足を運びました。

「演奏レベル」だけではない何かが、東京立正女子高等学校の演奏にはありました。
「心洗われる演奏」でした。

それが、井上先生の「音楽と教育~人づくり」だったのです。

高校の先生を辞められた後も、東京ブラスコンコード、ブルースカイウィンドアンサンブルなどの一般バンドを率いて、先生は、あの「心洗われる演奏」を奏で続けておられました。


そんな井上謹次先生の「音楽」を、少しでも分けていただきたいと、意を決して、東京ブラスコンコードに入団させていただいてからは、井上先生から直接ご指導いただくことができ、夢のような、「学びの絶えない年月」を過ごさせていただきました。

私が時々、指揮をさせていただくようになると、すぐ後ろで小さい紙を用意して見ていてくださり、気づかれたことをどんどん書いて、スコアの上に載せてくださいました。

「横に棒を振った時に、体を不安定にしない。」
「f.ffの時に、棒に力が入らないように。音が硬くなります。」
「もっとアイコンタクトで指示を与えてください。」
・・・・

「ちょっと僕が振ってみるから、見ててね。」
そうか、なるほど...

先生は、「団員」としての私を指導しながら、同時に「教師」としての私を育ててくださっていたのです。

厳しい注意もたくさんいただきました。
また、少しでも良くなると、ニコッとして指で○を出してくださり...

「いい大人」が、叱られては落ち込み、褒められては喜び...
まるで、「子ども」のように、井上先生に育てていただきました。

「田川先生は、僕の子ども位の年齢だよね。若いみんなは、僕の孫。僕も歳とっちゃったなぁ。」と笑っておられたのが、つい昨日のことのように思い出されます。

崇高なほどの井上先生の音楽を、温かく厳しい愛情を込めて、私たちに伝えてくださいました。


井上謹次先生と出会うことが出来た方々は、皆、それぞれの思い出、ご恩、感謝をお持ちのことと思います。

今は、先生のご逝去をまだ受け入れられない思いですが、これからは、しっかりと現実を受け止め、先生に育てていただいた幸せな私たちが、先生の『心』を次に伝えていく「使命」があると思います。

音楽の心、そして、人としての心を...


11月20日には、私たち東京ブラスコンコードのサロンコンサートで指揮をしてくださいました。
亡くなる2日前の12月18日には、ブルースカイウィンドアンサンブルの地域演奏会で、笑顔で指揮をされたそうです。

私たちにとって、この「指揮」が最後とは考えてもみませんでした。
そんな大切な「時」が、先生からの最後のプレゼントだったのです。


井上謹次先生...

本当に本当にありがとうございました。

これからも、天国から、温かく厳しく私たちに語りかけてください。

私たちは、どこかで先生の声を聞きながら、いつも感謝を胸に、それぞれの道を生きて参ります。


そして先生...どうかごゆっくりお休みください。


謹んで、井上謹次先生のご冥福をお祈り申し上げます。



ブログをご覧下さった皆様へのお願いです。

井上先生のご遺志と、奥様の文子先生のご意向により、ご弔電・ご香典はご遠慮くださいとのお願いです。

どうか、静かに先生を偲んでお祈り下さい。


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2011年11月20日、東京ブラスコンコードサロンコンサートにて。


合 掌





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おかげさまで...

先日ご紹介させていただきましたDVD&CD『未来へのファンファーレ~小学生バンドの指導にかけた30年間の軌跡』が、販売開始になりました。

私の手元から、すでに150名近くの方にお届けさせていただきました。
ブレーン株式会社でも、多数の方々にお買い求めいただいているとのことです。

ご覧になってくださった方々から、たくさんのご感想をお寄せいただきました。

私のささやかな人生の「宝物」である子どもたちの演奏を、たくさんの方々に大切にしていただき、本当にありがたく思っております。

初任校の千葉市立犢橋小学校の音源は、古いカセットテープから落としましたので、音質が良くありませんが、私の教師人生のスタートの記録であり、当時の子どもたちへの恩返しのつもりでもあります。
未熟な演奏共々、お聴き苦しいとは思いますが、そのような気持ちに免じてお許しください。


私のようなちっぽけな人間が、このようにたくさんのすばらしい子どもたちから、「音楽」という宝物をいただきました。

そして、私を育て、支えてくださった全ての方々に、改めて感謝いたします。


おかげさまで...

本当に本当にありがとうございました。


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『未来へのファンファーレ』の内容は、ブレーン株式会社のHPをご覧ください。
http://www.brain-shop.net/shop/g/gBOD-3106/

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お知らせです!

 『未来へのファンファーレ
      ~小学生バンドの指導にかけた30年間の軌跡~』


        が、ブレーン株式会社からまもなく発売になります。 


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DVD1枚とCD1枚に、私が育てた5校の小学校の演奏が計27曲収録されています。

新卒でお世話になった千葉市立犢橋小学校の演奏も3曲収録させていただきました。
教師になって2年目、「教師人生初のステージ」の演奏『フェスティーボ』(ネリベル)も収録されています。

八木澤教司先生に委嘱作曲していただいた『輝きの海へ』『はてしなき大空への讃歌』の映像、樽屋雅徳先生に委嘱作曲していただいた『ノアの方舟』の音源も収録されています。
いずれも、市川市立新浜小学校吹奏楽部が世界初演した年度の演奏です。


収録曲などの詳細は、下記の「ブレーン株式会社HP」をご覧ください。
http://www.brain-shop.net/shop/g/gBOD-3106/

♪ブレーン株式会社のHPからインターネット購入ができます。
♪各種コンクール・イベントの「ブレーン株式会社」のブースでも販売されます。
♪ブレーン株式会社の品物を取り扱っている楽器店・販売店でも購入できます。


価格は、税込み3980円です。

レッスン校(1回でもレッスンにお招きくださった学校)の先生方と児童・生徒の皆さんには、私経由で、「特別価格」で購入いただけます。
  ♪価格やお申し込み方法などは、顧問の先生が、田川までメールでお問い合わ せください。
    (学校名・お名前を必ずお書きください。)
  ♪児童・生徒の皆さんの「特別価格購入」は、「顧問の先生を通しての一括購入のみ」と
     いたしますので、それ以外は、上記の方法でご購入ください。
  ♪一般の方からのお問い合わせは、ブレーン株式会社へお願いいたします。



おひとりでも多くの方々に、子どもたちの「熱演」をご鑑賞いただけたら幸せです。

どうぞよろしくお願いいたします。



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『千葉市たなばた音楽会』

今日は「七夕」ですね。

しかし、朝からどんより...
天の川は?
おりひめとひこぼしは?


この時期になると、いつも思い出す「あの時」があります。

それは、『千葉市たなばた音楽会』です。

昭和55年、私が教員になって初めて子どもたちと共に上がったステージが、この『千葉市たなばた音楽会』でした。

今は、『千葉市音楽発表会』という名前で行われているそうです。

この『たなばた音楽会』は、10校ずつ位が1ブロックとなって、近隣校の体育館で行われていました。
出場の仕方は自由ですが、前任の先生が「4年生の『やりたい子たち』を集めて、合唱の朝練習をして出場していた」ということでしたので、全く同じにしました。

たしか、50人位の4年生が集まってくれたと思います。

何をどうしたらいいのかもわからず...
実態も何も考えず、選んだ曲は、『夏の思い出』と『空にはつきない夢がある』でした。

何の根拠もなく、ただ「夏だから」「好きだから」という理由だけで選んだ曲でした。

まだ、「発声」も幼く、「斉唱」もおぼつかない子どもたちを前に、私は、必死になって「二部合唱」をハモらせようと毎朝がんばりました。

でも、いつになっても、ハモりませんでした。

「どうしよう...」

朝から、「音がちがうよ!そうじゃなくて...」
子どもたちは、だんだん「いや気」がさした顔になってきてしまいました。

ハモらせたかった所も、1ヶ所、2ヶ所と「斉唱」にして...

ほとんど「斉唱」になってしまいました。

その年の『たなばた音楽会』は、千葉市立花見川第一小学校の体育館でおこなわれました。

前日準備に行った時から、心臓がドキドキし始めました。

夜は...
眠れませんでした。

いよいよ当日...
朝からドキドキして倒れそうでした。
手も顔も体も、汗でびっしょりでした。

他の学校は「合唱」になっているのに、私の学校はほとんど「斉唱」でした。

はずかしかったです...

でも、子どもたちは、「ああ、楽しかった!!」と言ってくれました。

「はずかしかった」のは、私だけだったようです。


これが私のヒヤヒヤの「デビュー」でした。








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