田川伸一郎のブログ

茨城県吹奏楽連盟中央地区指導者講習会

昨日は、「茨城県吹奏楽連盟中央地区・平成29年度指導者講習会」にお招きいただきました。

この講習会は、昨年度まで県内の現職の先生を講師に招いて開催されていたそうですが、今年度は「新しい風を」ということで、お声かけくださいました。
「新しい風」が私なんかでいいのかなぁと思いながらも、先生方の熱い思いを感じ、私の方が勉強させていただく機会になると思い、ありがたく受けさせていただくことにしました。

事務局の先生が、事前に何度も打ち合わせのご連絡をくださり、ご自分のバンドがモデルバンドでもあるということから、「先生に気持ちよくご指導していただけるように、生徒たちと精一杯準備しています」と、頼もしいお言葉もくださいました。

会場は、ひたちなか市立大島中学校。役員の先生方を含め、約40名ほどの先生方がお集まりくださいました。
小学校、中学校、高校の先生方はもちろん、大学生の学生指揮者、教育学部音楽科に学ぶ学生さん、一般バンドの指揮者をされている方と、地区の幅広い校種やお立場の方々と一緒に勉強させていただきました。

午前中は、講話と基礎合奏の講習でした。

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スクールバンドの価値やあり方について、主に人間教育の見地から私が考えていることや私の実践をお話ししました。

そして、大島中学校吹奏楽部をモデルに、シンプルな基礎合奏の実際をご覧いただきました。

・楽器を演奏する前の楽しい合唱ソルフェージュ(ハンドサインを使って、長三和音・短三和音・増三和音・減三和音を作ります)

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はじめはあれれ?でしたが、分かって来ると、どんどん出来るようになりました。
「歌う」ことを日常化しているバンドなので、こういうトレーニングも楽しく出来ました。


・初期振動の状態を確認し、その質を高める練習
・ピッチコントロールのトレーニング

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基礎合奏では、打楽器のメンバーが全てテンポや合図を出せるような習慣を。

・耳を使い、耳を鍛えるチューニングの仕方

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チューナーは使いません。倍音の力も借りて、耳で合わせていきます。
待っている時こそ大切な時間です。


・バランス練習とその発展

・ハーモニートレーニング その1(長三和音のカデンツ)

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ほんのちょっぴり「知っているようで知らない和声の勉強」も。

・ハーモニートレーニング その2(様々なハーモニーの響きを感じて)

・コラールの勉強の仕方

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フレーズのまとまりや旋律の持つエネルギーの変化を歌と身体でつかんでいきます。

コラールの演奏に必要な「和声の機能を生かした間の感じ方」も理論を含めて勉強しました。
生徒さん方には、理論にやや「・・・?」でしたが、先生方には十分ご理解いただいたと思います。

・コラールの発展として、易しい楽曲を使った演習

午後は、「楽曲指導の実際」の講習でした。

まずは、音そのものに表情をつける勉強から。

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声と身体と表情で様々な感情を表し、それを楽器に移行します。
強弱だけで曲想表現をせず、音色の変化を伴わせるためのトレーニングです。


そして、「楽曲指導の実際」です。

教材は、広瀬勇人先生の『北の鳥たち』です。
旭川の記事で書かせていただきましたが、この曲も最少7名から演奏出来、しかも、とてもドラマチックで感動的な曲です。
大島中学校は小編成ではありませんが、人数が多い分、ますますこの曲の良さが引き出せると考え、取り上げました。
何より、表現の勉強には最適な要素が曲全体に散りばめられています。

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はじめに顧問の長沼純平先生の指揮で演奏を聴かせていただきました。
モデルバンドにふさわしく、しっかりと練習し、先生なりの表現まで付けてくださっていました。


そして、私がバトンタッチして、合奏指導を進めました。

・曲のストーリーをイメージした場面ごとの表現の工夫
・和声の力を根拠にした表現の工夫
・生徒さんの「思い」を引き出しながらの表現の工夫
・演奏を変えるための具体的方法

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午前中の勉強、午後のスタートの勉強とリンクさせながら、練習を進めて行きました。

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生徒さんも「イメージ」や「思い」を話し、皆で考えていきました。

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中間部の「Dolente(悲しみをもって)」の部分に一音だけあるトライアングルの「P」の音を打楽器メンバー皆で探しました。
最後は、管楽器の皆が眼をつぶって聴き、「誰の音が一番Dolenteらしいか」のコンテストもしました。


時間がオーバーしてしまいましたが、最後までしっかり勉強し、一回通して終えました。
生徒さんたちの気持ちのこもった見事な演奏に、先生方から盛大な拍手!

最後に、「質問コーナー」の時間を取り、1日の講習会をまとめました。

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私から先生方への最後のメッセージ...今、目の前にいる生徒たちと、今、目の前にある目標に向かって頑張っていることは、全て生徒たちの未来につながり、生徒たちの未来のためにあるのだということを大切に思いましょう。先生方と過ごした日々が生徒さんたちひとりひとりにとって、かけがえのない人生の宝物になることを心からお祈りしています。


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講習会に向けて一生懸命練習し、真剣に、そして、笑顔でレッスンを受けてくれた大島中学校吹奏楽部の皆さん、ご指導くださった長沼純平先生、ありがとうございました。
皆さんと過ごした1日、とても楽しく幸せでした。
これからも、心豊かに活動していってくださいね。


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講習会を運営してくださった役員の先生方です。
私に出来ることは精一杯させていただきましたが、力不足の点はお許しください。
先生方の温かく誠意あるご対応に感謝いたします。
これからも、地区の中心となって、先生方と生徒たちのためにご尽力ください。



茨城県吹奏楽連盟中央地区の皆様のますますのご健勝を心からお祈りいたしております。
お招きいただき、本当にありがとうございました。


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旭川から~2018・1月・その1~

この月曜日から昨日まで、北海道の旭川にお伺いして来ました。
今年初めての地方出張でした。


北海道は、まだ冬休みが続いています。
夏休みが短い分、冬休みが長いのです。

厳寒を覚悟して行きましたが、少し暖かく、昼間はだいたい0℃位で済みました。
-10数℃のこともありましたから、暖かいものです。
そして、北海道は、室内が超暖かいのです。
校舎の造りも暖房も、寒さはものともしない感じです。
体育館にも暖房が入り、「暑いから一度消そうか?」と話が出るほど。
関東の学校の方が、エアコンをつけていても、足元からしんしんと冷えます。

そして、こんな「雪対策クッズ」も用意してくださってあります!

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年に一回の冬場レッスンのために、旭川の先生が買ってくださった靴です。
スパイクが付いているので、雪の上でも滑らずに歩けます。
ありがたいです。
でも、恐る恐る「ペンギン歩き」です(笑)
北海道の方々がすいすい歩いているのを見ると感心します。



今回は、小学校2校、中学校5校、高校2校の計9校からのお招きをいただきました。

レッスン計画のとりまとめをしてくださる先生に、「冬場で練習時間も少ないでしょうし、くれぐれも無理なお誘いをされませんように」とお話ししておいたのですが、こんなにもたくさんの学校が希望してくださいました。
また、先生とも生徒さんたちとも初めての出会いをさせていただいた高校も加わり、うれしかったです。

練習時間が少ないはずなのに、どの学校も「基礎合奏を」ではなく、きちんと曲を練習しており、感心しました。
また、アンサンブルコンテストとソロコンテストに出場するための練習を併行している学校もあり、時間の余裕があった学校では演奏も聴かせていただきました。

中学校、高校では、当然のことながら3年生はおらず、1・2年生での活動をしています。
人数的にも厳しい状況の中で活動している学校もありましたが、それでも出来る曲を探して、「音楽」していました。
目前に大きな行事があるというわけでなくても、基礎はもちろん、様々なジャンルの曲を一生懸命練習している先生と部員の皆さんの姿に、たくさんの感動とパワーをいただきました。


お伺いした学校を2つの記事に分けてご紹介します。

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夏には、コンクールに向けての全員合奏のレッスンにお招きいただいた小学校です。
今回は、アンサンブルコンテストに向けて、金管アンサンブルと打楽器アンサンブルの練習をお手伝いさせていただきました。
このメンバーたちは特に意欲が高く、アドバイスもすっと入っていきますし、皆の熱気が伝わって来て、あっという間の時間でした。
練習後、打楽器の子どもが、「マリンバ、持って帰っていいですか?」と先生に聞いていました。 「えっ!マリンバ?」
お家の方が、大きい車で取りに来て、家でも練習しているそうです。あっぱれ!


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函館での「全国小学校管楽器合奏フェスティバル・北海道大会」に旭川代表として出場することが決まり、遠征を目前に控えた小学校バンドです。
一曲は先生自らの作品で、トロンボーンのとても上手なお子さんを生かしたコンチェルトです。でも、バンドが単なる伴奏ということではありません。バンド全体の演奏からトロンボーンソロが英雄のように浮かび上がってくるというようなカッコいい曲です。
もう一曲は、副顧問の若い女性の先生と指揮で『セプテンバー』、様々なパフォーマンスも加わっています。そのパフォーマンスをちょっぴりグレードアップ! ウキウキ楽しいレッスンでした!
函館一泊旅行、演奏もお泊まりも、思い切り楽しんで来てくださいね!


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3年生が抜けた今、半数以上が1年生のバンドです。 しかも、初心者もたくさんいます。
コラール的な易しめの曲と、大いなる挑戦曲の2曲、そして、ソロコンとアンコンの曲まで聴かせてくださいました。
コンクールに出ていなかった1年生とは初めての合奏でしたが、あえてソロを受け持っている1年生がいたり、1stパートを立派にこなしていたりと、夏からの頑張りに感心しました。
私の方では、1年生の音を2年生の音に馴染ませていく練習を中心に進めませていただきましたが、シンプルで少し退屈な練習にも食らいついてくる意欲がすばらしかったです。


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2年生より1年生の方がずっと多いメンバー構成で活動していますが、夏の頃からの1年生の成長ぶりには感心しました。
顧問の先生はとても誠実で、私が「このバンドには、こういう基礎合奏が良いと思いますよ」と差し上げておいたメソードを着実に継続実践され、細かく個人チェックまでしてくださってあったので、効果絶大でした。
「コラール」をたっぷりと練習してから、アレンジ物のバレエ音楽に移りましたが、曲の色々な個所で、「コラール」で勉強したことを生かして指導しました。
アンコンチームは、コンテストっぽくない、とても楽しい曲を生き生きと演奏していました。このチームのためのオリジナル作品とのことで、うらやましく思いました。



*続いて、その2の記事でご紹介します。

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旭川から~2018・1月・その2~

引き続き、旭川でお伺いした学校をご紹介します。

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部員13名で冬を寒い乗り越えている中学校バンドです。ほぼ全員が初心者での上、新編成時にパート変更したメンバーもいます。
顧問の先生は、レッスンの前に、かならず細かいバンドの実情、ご自身のお悩みなどを送ってくださいます。
今回は、「音や音楽に表情が足りない」というお悩みがメインで送られて来ましたので、その点を中心にレッスンを進めさせていただきました。
基礎合奏の段階から「音楽」を感じるやり方を提案させていただき、ひとりひとりの音を聴いてアドバイス出来ました。人数が少ないからこそ出来るレッスンでした。
教材の『うつくしの島』(広瀬勇人作曲)は、この人数でも十分な演奏効果と今のこのチームに必要な学びが得られる素晴らしい曲で、お勧めして良かったと実感出来ました。
先が見えた喜びに、先生も部員たちもニコニコで終えることが出来ました。


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部員全員で12名。少ない人数ではありますが、多くの部員が小学校からの経験者なので、立派な12名分の音重なり合います。小学校にもレッスンにお招きいただいているおかげで、小学校の時の頑張りの上に立った中学校での成長に感動しています。
今は、ホルンパートがいませんが、他の楽器で埋め合わせをしながら、楽しく曲の練習が出来ています。
そして、先生の若々しくエネルギッシュな導きのおかげで、部員ひとりひとりがキラキラ輝いています。
今回のレッスン曲は高橋伸哉さんの『レールウェイ』、この人数でも十分に演奏出来、充実感もあります。
フレーズの行き先を見据えたエネルギーの変化や伴奏の機能の絡ませ方など、シンプルな曲ですが深い勉強が出来ました。
アンコンは、クラリネット2本とチューバという独特な組み合わせの演奏。これも奥が深かったです。


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こちらの中学校も13名、しかも全員が中学校からの初心者という小編成バンドです。
みんなとっても明るくて、お迎えからお見送りの時まで、ずっとハイテンション。だから人数が少ないという感じがしません。
夏のコンクール前以来なので、特に1年生の成長ぶりには驚きました。
広瀬勇人さんの『スプリングフィールド』を教材に、「音楽づくり」を中心に勉強しました。
フレーズを横に流すことが上手くいかないときの改善の仕方や少人数ならではの強弱の付け方など、良い曲には学びの宝がたくさんです。
アンコンは1年生も加わって2チーム挑戦です。レッスンの最後に両方の演奏を聴かせてくださいました。


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先生とも生徒さんたちとも、初めての出会いをさせていただいた高校バンドです。
高校としては、練習時間が少なめのようですが、それでも、経験者はもちろん、大勢いる初心者のメンバーも、とても上手に演奏していて、驚きました。
先生の開放的なお人柄が、部員ひとりひとりの良さや持ち味を存分に発揮出来る雰囲気を作っているように思えました。
レッスン曲は、「アルメニアンダンス・パートⅠ」でした。 私がずっと指揮台に上がらせていただき、曲の場面ごとの音楽の特徴の生かし方、音楽の運びや表現の工夫を勉強しました。
初対面とは思えないほど、素直で受容的な態度で熱心に取り組んでくれた部員の皆さんに心から感謝します。
良い出会いをくださった顧問の先生、本当にありがとうございました。
またお会い出来る機会があればうれしいです。


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旭川永嶺高校は、3月の定期演奏会に向けて、『ラッキードラゴン』と『アンドレア・シェニエ』という大曲2曲を練習してのレッスンでした。
2月には、東京で開催される「ステージマーチング全国大会」への出場が決まっており、大忙しですが、このレッスンを「目標」として一致団結して2曲の練習を最優先してくださっていたとのこと。
その意気込みが伝わってくる感動的な演奏を聴かせていただきました。
『ラッキードラゴン』では、先生に振っていただくことをせず、「私ならこうする」という音楽づくりを見ていただきました。
先生は、「なるほど~。そうか」「やっぱりそれでいいんだな」と、ご自分の音楽づくりと比較しながら勉強出来たと喜んでくださいました。
合奏の後には、アンコンに出る2チームの演奏も聴かせていただき、ワンポイントアドバイス。こちらも感動でした。



寒い冬の時期、今回お伺いした3つの小編成バンド(12~3名)でも、良い教材を選んで、基礎的な力を高めつつ、生徒さんたちを「音楽の喜び」に浸らせながら練習を進めている先生方の賢明さに共感しました。
「人数も少ないし、基礎練習とアンサンブルだけで冬を過ごします」と、ひたすら耐えるだけの冬になってしまったら、それはスクールバンドの活動としてはどうなんだろうかと思います。(実際、そのようなバンドもあるのが現実です。)

作曲家の方々が、小編成バンドにも温かい心を向けてくださり、良い教材を世に送り出してくださるようになったことが、とても大きいと思います。
フレキシブル楽譜もありがたいですが、今回2校で取り上げた広瀬勇人先生の曲のように、7~8人程度でも演奏出来るし、大人数ならますます豊かに響きが得られるという親切で音楽的な楽曲がとてもありがたいです。
小編成バンドにも多く関わる機会が多い私は、そういった楽曲へのアンテナを高くし、ご紹介出来る「持ち駒」を増やしています。
これからも、多くの作曲家の方々が、小編成バンドに眼を向けた良い作品を提供してくだされば...

雪いっぱいの旭川でしたが、先生方と部員の皆さんのおかげで、温かい3日間を過ごさせていただきました。
新年早々お招きいただき、本当にありがとうございました。


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1月10日夜。 旭川空港にて

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本気~その2~

昨日は、東京都の私立高校バンドのレッスンでした。
演奏会が近くなり、何かピリピリした雰囲気で色々なことが起きていると、顧問の先生からのメール。


本番前は、どこもピリピリするに決まっています。
本気になっているからピリピリするのです。

先日の記事のように、先生と部員の心が噛み合わないこともあれば、部員同士がぎくしゃくしてしまうこともあります。
こんな時、レッスンの前にどんな話をしようか...道中、ずっと考えていました。

顧問の先生にお願いして、先日の「本気」の記事を印刷しておいていただきました。
まずは、ただそれを配って、皆に読ませ...

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大きな本番前には、様々なピリピリが起きるものだということを皆で感じ、その後、文化祭のイベントやコンクール、多くの学校が出演する音楽会と、学校独自の「演奏会」の違いを考えてみました。

「イベント的な本番」は、たまたまそこに居合わせた人が聴くもの。
「演奏会」は、その学校の演奏を聴くためだけに、お客様がわざわざお越しくださるもの。


ところで、皆さんの演奏会の入場料はいくらですか? 「無料です。」

・・・そうですか。入場料が無料ということは、本当に無料と考えていいのでしょうか。
演奏時間を含め、お客様はたぶん3時間位はホール内にいると思います。家からホールまでの行き帰りの時間が往復2時間としても、合計5時間はあなた方のために時間を使ってくださるのです。
時給900円のアルバイトをしていたとしたら、4500円も稼げる時間です。そして、交通費が1000円かかったとして5500円。
時間はお金では買えませんが、このように計算すると、お客様ひとりひとりが一人平均5500円を払って来てくださると考えられます。
「入場無料」であっても、よく考えると決して「無料」ではないのです。

・・・では、そこまでして皆さんの演奏会に来てくださるお客様に、どんな気持ちになって帰ってもらいたいですか? そこが、とても大切なところだと思うのですが...
そういうことを話し合ったことはありますか? 「ありません。」

ということで、緊急ミーティング。

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部長さんの司会で進行しました。
少し考える時間をおいてから、発言タイム。 全員が発言しました。

それぞれの考えや見方、言葉の表現が画一的でなかったのが、とても良かったです。
互いにうなずき合いながら、気持ちを聞いていました。
共通していた願いの根っこを簡単な言葉に置き換えると、お客様に「幸せな気持ち」になって帰っていただきたいということでした。

そのために、全ての曲の演奏、パフォーマンス、笑顔、おもてなしがあるのだということ。
残された時間で、その全ての質を上げ、「お客様の幸せな気持ち」につながる表現をするのだと。
お客様が幸せな気持ちになってくれた時、自分たちも幸せな気持ちになれるのだということ。

その大切な「目標」を皆で共有しないまま、仕上がらない演奏やパフォーマンスに向かっていると、ただのピリピリで終わってしまう。
「目標」が見えていれば、たとえピリピリしていても、皆で乗り越えられ、時間と共にだんだんワクワクに変わっていくはずだと話しました。

こんな簡単な話で全てが解決するはずもないかもしれませんが、全員が自分の思いを言葉にしてみたことはとても意味の深いことでした。

そして、一目散に練習へ。

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コンクールとは違って、たくさんの曲を仕上げなければならない今の練習は、曲の中のポイントや傷の大きい所の手当てが中心となります。

私の言葉も、たとえば、「そんなにフレーズが切れたら、お客様が日常の悩みを思い出してしまうよ!」と、先ほど出た生徒の言葉を活用していきます。

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ほとんど休憩無しに練習は続きました。

少し疲れが見えた時、「こういう時にも頑張れる人と、疲れを言い訳にしてしまう人がいる。それが一緒に演奏しているから、こんなガサガサした響きになってしまうんだ。 それで、お客様が幸せになれるか? たとえ、ひとりひとりの力は小さくても、みんなが頑張っている力が集まるから素敵なサウンドになるんだよ。 『みんな』が大事! そんな音楽でこそお客様は幸せになるんだと思う。」

先ほどの話し合いがあったから、こういうコメントで皆の心が立ち上がります。
ぐんと良いサウンドになりました。

「さっき読んだプリントにあったように、こういう言葉は先生ではなく、君たちから出て来るといいね! みんな疲れていると思うけど、頑張ろう!って。」
「はいっ!」

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今回のレッスンは、「緊急ミーティング」で始まったけれど、日々の忙しさや練習の表面だけにとらわれてピリピリし、大切なことを置き忘れていたことに気づけてよかったね。
ここからの練習は、きっとうまく進む。
たとえピリピリしても、それが「お客様の幸せ」に必ずつながると信じて、皆がほぐし合い、受け入れ合って進んで欲しい。
全てを終え、お客様を笑顔で見送る時、ホールの方々に「ありがとうございました」とお礼を述べる時、きっとみんな達成感でいっぱいになっていると思う。
その瞬間のために...がんばれ。 
「みんなだよ。 みんな!」



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                 けっこう似てるかも(笑) みんな、ありがと。

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沖縄県の小学校バンド

沖縄県では、「小学校管楽器指導者研修会」の他に4つの小学校バンドにもお伺いしました。

いずれの学校も、「全国小学校管楽器合奏フェスティバル」の「九州大会」や「西日本大会」、あるいは「九州アンサンブルコンテスト」に出場するという大きなステージを控えて練習に励んでいる学校でした。
県代表にふさわしい実力ある演奏に感動しました。

それぞれのバンドの良さ、個性、先生の願い、そして、沖縄県代表としての誇り...向上心と意思を持って練習に取り組む姿に心打たれました。

「先生のやりたいこと」「つくりたいステージ」を、より確かに、豊かに具現化すること、子どもたちの魅力を最大限に引き出すこと。
私のアイデアと経験の「引き出し」を総動員してレッスンに向き合いました。

どの学校の子どもたちも笑顔いっぱい、先生方も喜びいっぱい!
「音楽の楽しみ方、深め方、仕上げ方」を追求出来たひとときでした。


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超元気なあいさつ、返事、そして、よく笑う明るい雰囲気に、こちらが「やる気スイッチ」を入れられてしまうほど意欲のあるバンドでした。
沖縄民謡をモチーフにした曲に取り組み、途中には、「三線」の演奏や踊りや歌も加えた演出を工夫していました。
その工夫をさらに進化させ、場面変化を豊かにするアイデアを提案させていただきました。
演奏面でも、速い部分とゆっくりした部分の吹き分けを明確にして、メリハリをつけていきました。
向上心いっぱいの子どもたちで、新しい試みや指示にも、どんどん食らいついて身につけてくれました。


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沖縄県に初めてお招きくださってから5年間お付き合いさせていただいている小学校です。
指導力ある先生方のご指導で、確かな基礎力と表現力が培われています。
おとなしめの子どもたちですが、音での反応力は抜群で、アドバイスしたことがどんどん音で返って来ました。
九州大会に出場するすばらしいアンサンブルも聴かせていただきました。4年生も立派に役割を果たしていました。
レッスン後、顧問の先生方は、子どもたちの成長に感動して思わず涙...でした。


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若い女性の先生が誠実なご指導をされているバンドです。みんな先生のことが大好きです。
反応良く、よく笑い、けじめはしっかり、発問には色々な意見が飛び交い、分かると夢中で練習します。
初発の感想で、子どもたちが「この曲の好きな所(中間部のゆっくりな所)を、特にお客様に伝えたい、味わってもらいたい」という願いがまとまり、その部分の作り方を中心に勉強しました。
願いが深い分、食いつきも良く、音色や歌い方も向上しました。そして、次のハードルも見えた時間でした。


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先生の眼と心は、優しく、そして、厳しく...それが、子どもたちの姿と演奏、言葉に表れていました。
演奏と共に心も育っているなぁと実感できるとても良いバンドでした。
音楽の授業で育った「音楽の基礎学力」がバンドに直結していて、知識と感覚が正しく機能し、練習がとてもスムーズに進みました。
九州大会に出場する打楽器アンサンブルのレッスンもさせていただきました。小学生としては高いレベルの演奏と変容に拍手!



プチ観光で、「世界文化遺産」に登録されている『斎場御嶽(せーふぁうたき)』を訪ねました。
琉球王国最高の聖地と言われるところです。


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パワースポットの「三庫理(サングーイ)」です。

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「三庫理」の奥からは、「神の島」と呼ばれる『久高島』が見えます。

不思議なことに、心の中が本当に浄化されたようでした。
沖縄でのほっとするひとときになりました。

「斎場御嶽」のHPはこちらです。
http://okinawa-nanjo.jp/sefa/

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