田川伸一郎のブログ

県内の小学校~合唱部レッスン

今日は、朝夕と、私の住むあたりは雨がひどく降りました。
一雨ごとに秋が深まっていくのでしょうか。

そんな今日は、県内の小学校の「合唱部」にお伺いさせていただきました。

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授業での合唱指導には何度もお伺いしていますが、「合唱部」のレッスンにお招きいただいたのは、2校目です。
このブログを通しての先生との出会いからいただいた大切なご縁です。

わくわくしながら、初めての学校に向かいました。

レッスンの前に、校長室でお話しさせていただいた校長先生のお人柄とお話に、まず感動してしまいました。
・・・
学校にとって音楽はとても大切なもの。
少々やんちゃんな子どもでも、元気に歌が歌えるうちは大丈夫です。
校長室にいても、朝の歌がどの学級からも聴こえて来て、「いい学校だなぁ」と思えます。
担任をしていた頃には、「週にたったの1~2時間しかない音楽の時間なんだから、絶対に忘れ物をしないこと。集中してしっかり授業を受けること」と子どもたちに特別な言葉かけをして、音楽の先生にお願いしていました。そして、朝の会では必ず「今月の歌」を子どもたちと歌い、帰りの会では音楽の時間に習ったリコーダーの曲を必ず吹いてから「さよなら」をしていました。音楽専門ではない担任として出来るのは、それ位しかありませんでしたから。
こうして、音楽の先生が朝や放課後に合唱部の指導をしてくださるのがとてもありがたいです。歌が上手になるのはもちろんですが、学級とは違う顔を見せる子どもがいたり、学級では発揮出来ない力を発揮出来る子どもがいたり...子どもたちにとっても、我々教師にとっても合唱部はとても大切な教育の場だと思っています。
・・・

小学校の中での「音楽」や「合唱部」の位置や役割、価値をしっかりと理解してくださり、音楽専科の先生を思う気持ちも温かく深いです。
そして、比較的大きな規模の学校なのに、子どもたちの名前が次々出て来るのです。
合唱部で頑張っている子どもたちの名前も次々に出して、話題にされます。
子どもへの愛情と教育への熱意いっぱいの校長先生です。

こういう校長先生の元で働ける先生方は幸せだと思います。
私のような見知らぬ外部の指導者を入れることも、「それは良いことなので是非お招きしなさい」と、様々な準備を整えてくださったそうです。

校長先生との出会いに感動しながら、音楽室に向かいました。

初めての学校なので、早めに到着して、校長先生や音楽の先生とゆっくりお話しさせていただき、それでも、「帰りの会」が終わる前に音楽室に入れました。

私は、こうして、先に音楽室で子どもたちを待つのが大好きです。
子どもたちの素顔が見えたり、レッスン前にちょっぴりおしゃべり出来たりして、部員たちとの距離感を縮めることが出来るからです。

少しずつ子どもたちが集まってきます。

「こんにちは!」 みんなニコニコして、明るいあいさつをしてくれます。
興味深そうに私に寄って来て、目の前であいさつする子もいますし、離れたところで照れながらあいさつする子もいます。
中には、声はなく、ほとんど目だけのあいさつの子も...それでいいんです。
色々な子がいて学校ですから...

楽しそうにおしゃべりを続ける子たちもいたり、「あっ、今日、朝練が無かったから、トレーニングしなきゃ」と腹筋などのトレーニングを始める子もいたり...

先生も、あえて細かい指示をされません。

驚いたことに、人数が少ない間はおしゃべりがたくさん聞こえていたのに、人数が増えて来ると、おしゃべりが逆に聞こえなくなっていくのです。
つまり、部員が集まって来るにつれて、自分たちから「練習モード」に切り替えて、おしゃべりを止めていくのです。
この「空気感」の高まりが、とても素敵でした。

部長さんのあいさつの後、まずそのことを褒めてからレッスンに入りました。

先生のご指導で、発声練習をしてから、メインの曲の練習に入りました。
10月におこなわれる市内の音楽会で発表する曲です。


一度聴かせていただいてから、私がバトンタッチして指導させていただきました。

曲の「テーマ」が、様々な記号にも表わされていることを確認し、もう一度、その記号を見直してみることからスタートしました。
そして、歌詞を大切に解釈すること、単純な言葉の奥に込められた作詞者のスケールの大きな思いを読み取ること、それを語感に生かし、発声やフレーズのまとめ方に生かすこと。
速い部分も、もう一度ゆっくりどっしりと歌い、言葉のフレーズを正しく表現しながら、かつ、ハーモニーを厚く響かせること。
声が「当たる」ポイントを見つけながら歌う発声の方法。
母音によって、発声が崩れないようにすること。
・・・

練習時間に限りがありましたので、子どもたちとのゆったりした問答は最少限にして、私からの指導やアドバイス、簡単な問いかけを中心に、スピーディーに進めました。

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皆、私からの指導にうなずきながら、「ハイッ!」と明るい返事をしながら、また、どんどん書き込みをしながら歌い続けます。
もちろん、ずっと立ったままです。 それが当たり前のようでした。

初めて出会ったオジサンの、例によって訳の分からないような指導にも、普通について来て、歌い方をどんどん変えていける優れた子どもたちでした。

日頃から、歌唱技術はもちろん、意欲や集中力、向上心、受け入れる心を育てていらっしゃる顧問の先生のご指導の賜物です。

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みんな眼をキラキラさせて歌い続けてくれました。
変声して話し声はすっかり低くなっている6年生の男の子も、ファルセットを上手に使って美しいソプラノの声を響かせていました。

途中、「先生、この子たち、すばらしいですね。私の伝えたいことをこんなにもしっかり受け止めてくれて。びっくりです!」とお話しすると、先生も、「あなたたち、こんなに上手に歌えるのね!すばらしいわ!先生も感動です!」と一緒に褒めてくださり、子どもたちはますますニコニコ、やる気をふくらませます。

先生のそういったお人柄も、子どもたちの歌声とやる気を育てる基になっていることは間違いありません。

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ピアノ伴奏は、顧問の先生のお知り合いというピアニストの方が弾いてくださっています。
顧問の先生と私で、テンポや指揮のニュアンスが変わると、そのとおりに変えて弾いてくださり、
しかも、子どもたちの歌に寄り添いながら、曲の「命」に合った伴奏を弾いてくださいました。
初めてお会いした方ですのに、私がやろうとしている音楽を即座に理解し、阿吽の呼吸で奏でてくださいました。
ありがとうございました。



今日は、曲の三分の二位のところまで勉強して終わりました。
10月に、もう一度お伺いする機会をいただいています。

残された部分は、今日勉強したことを生かして応用すれば、ぐっと良くなるはずです。

どんな歌い方に変わっているか、とても楽しみです。

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今日は、「はじめまして!」の出会いでしたが、みんなとてもよく話を聞き、理解し、一生懸命練習に取り組めましたね。
みんなの学ぶ力、自らを変えていける力に感動しました。
歌詞の意味を深く考えることで、作詞者が伝えたかったことの大きさがわかり、それに伴う作曲者の思いや「音」の意味や素敵さも分かって来ますね。
そして、「生き方につながる歌」を歌える君たちに育っていけると思います。
先生が、「どうしてもこの曲を歌わせたい」と、君たちの歌う力の成長と心の成長を願ってくださった愛情をしっかり受け取って、これからの練習もがんばってくださいね。
次回もたのしみにしています!

初めてのお招き、本当にありがとうございました。

「合唱専門の指導者」ではなく、私のような者を選んでくださった先生に心から感謝いたします。


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小学校の音楽科授業

昨日は、県内の私立小学校の授業サポートの日でした。
2学年の授業研究と5年生のリコーダー指導の2時間をお手伝いさせていただきました。

2年生の授業は、
題材 歌うの大すき
教材 「虫のこえ」
本時の目標 「ぴったりの歌い方をみつけよう」
でした。


授業者の先生は、今年度からこの学校で低学年を担当されている音楽専科の先生です。
優しい語り口で、子どもたちを伸びやかに育てていらっしゃいます。

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田川流「ほたるこい」の発声練習を毎時間の授業のはじめに取り入れ、皆、とても良い声で歌っていました。
この段階で、すでに「歌うの大すき」になっていました。

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口の開け方が良い子を先生が選んで前に出し、みんなで真似っこです。
みんな、とても良い口、良い声です。


教材の「虫のこえ」は、「あれ まつむしが ないている~♪」です。

今の時代の子どもたち、そして、この子どもたちの生活圏、生活の仕方の中で、「虫のこえ」に心を傾け、「ああ おもしろい 虫のこえ~♪」と思うのは、少し難しいのかなと思いながら、授業を参観していました。
「べつに虫のこえなんかおもしろくない・・・」と、ボソッとつぶやいている子もいました。実は、そういう子って他にもいるのでは。
子どもたちにとっては、ある意味ファンタジックな世界に身を置くことが必要な時代なのかもしれません。

先生は、前時に、虫の鳴き声の音源を聴かせてイメージをふくらませたということですが、何げない生活の中で、どこからともなく聞こえてくるから味わい深いんだけどなぁ。
そうか、スピーカーから...聴かせないよりは、聴かせた方がいいけれど、「昆虫学的な体験」になってはいないかな。
・・・余談になってしまいました。

先生は、歌詞の中の「虫が鳴いている声」の部分を、歌詞に合わせた歌い方にさせたいと願って進められました。

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電子黒板も有効利用です。
1番と2番で、「虫のこえ」の部分が微妙に違うことがよくわかります。


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子どもたちは「虫のこえ」の部分だけ歌い、先生と交互唱もしました。
どういう風に歌うか、ミニ相談タイムも。


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半分ずつに分けて聴き合う場面もありました。

よく聴いていると、子どもたちは、それなりに工夫をして歌っていましたが...
・個別の発表がないため、工夫がはっきり分からない。ひとりで歌わせて、比較すると良い。
・「どういう感じで歌う」という言葉のやり取りが多く、具体的な唱法のイメージがつかめていない。先生が、ひとつは大げさに範唱してあげて、「そうか!」とつかませるとぐっと進む。
・様々な歌い方が出てくると、それが音楽室の中の「ああ おもしろい 虫のこえ」になるかも。(「べつに虫のこえなんかおもしろくない」というつぶやきがひっかかっているのです。)
ということをアドバイスさせていただきました。

別の学級では、まだ本時を取り扱っていないということなので、本時の学びを生かした授業をされることでしょう。


5年生は、校内の「学芸発表会」に向けて、リコーダー合奏に取り組んでいます。

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曲は、私が選び、学年演奏しやすいように、ちょっぴり手を加えてあげた曲です。
「君たちだけの楽譜なんだよ」という説明に、子どもたちは「おぉぉ~」と、うれしそう。

初めに全体が二パートに分かれた比較的易しいパートを演奏し、それに数名が少し難しい二パートを演奏する部分が続き、最後に、両方が重なって美しく感動的な四部合奏になるという曲です。

これまでの授業では、全体で演奏する二パートを練習し、難しい二パートは夏休み前から休み時間なども使って別に練習しておいたものを、今、学年全員で重ねています。

はじめに、先生の指揮で演奏を聴かせていただき、その後は、私が最後まで指導しました。

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話の聞き方もすばらしい、練習態度もすばらしい5年生たちです。
去年の学芸発表会では、勇ましい和太鼓演奏に元気いっぱい取り組みましたが、今年のキーワードは「しっとりと」です。


リコーダーではなく、歌(ラ)で歌い、リコーダーで演奏した時と、気分がどう違うか。
その歌った時の気分をそのままリコーダー演奏に戻してみては?

私の指揮がどう変わったか、その違いから何を感じるか...
それを、演奏にどうつなげていくのか?

大げさには強弱を付けられないリコーダーという楽器の特性を理解し、タンギングや息のスピード、若干の音価の変化によって、吹き分けていかなければならないこの曲のハードルを乗り越える勉強をしました。

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鋭い観察力と良い発見や発想には、すかさず「頭ナデナデ」でした。
真剣な学習の雰囲気も一瞬なごみます。


「何か、今までよりも音がきれいに響いている感じがする」
「吹き方を変えて練習してからと、元の吹き方に戻すと、何だか変に感じられる」
「音に気持ちが入ってきた」
・・・

演奏だけでなく、音の状態や演奏する気分を言葉でも確認しながら進めて行きました。

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ずっと授業を見ていてくださった校長先生も、「子どもたちの真剣な姿と美しい音楽に涙が出そうでした」とおっしゃってくださいました。
本当に真剣で向上心いっぱいの子どもたちです。



この曲の最後は、全員でハーモニーをフェルマータして終わります。

「リコーダーの音の最後は、必ず舌で止めること。息で止めてはいけない。」
・・・このことにこだわって、最後のフェルマータの音だけ、私の指揮(指をつまむだけです)に合わせてきちっと止める練習もしました。
何度も何度も...

「んんん、80点。それ以上はあげられない。まだ息で切っている音がする」
「あれ、切る時に『こぶ』がある」...子どもたちも発言します。「そうだね。息は真っ直ぐに。こぶはつくらないこと。舌で止めるだけ」

「いいぞ、82点」
「83点!」
「84点!」
・・・
「はい、今日はここでおわり!」 (見事に、ちょうどチャイムが鳴りました。)
「先生、おねがい!もう一回やらせて!」 「ダメ」
「え~っ! ねっ、おねがい! あと一回だけ!」 「ダメ~」

チャイムが鳴っても、「もう一回やらせて!」とおねだりする意欲満々の子どもたちとの楽しい授業、そして、ちょっぴりいじわるな私でした。
「あとは、〇〇先生と一緒に練習して、85点より上をもらうんだよ」と...次の先生の授業につなげる配慮をしたつもりです。

担任の先生も、朝の会の練習の時には、一緒に演奏してくださっているとか。
そして、「学芸発表会」の本番でも、子どもたちと一緒に並んで演奏されるそうです。
そんな担任の先生方の姿が子どもたちの意欲を高め、音楽の先生の適切なご指導がこの子どもたちの技術とセンスを育てているのです。


先日の6年生の合唱に感動。
昨日の5年生のリコーダーにも感動。
高学年の子どもたちが、こうやって素直な心で、真剣に音楽学習に向かい合える...いい学校だなぁ。

今週は、もう一度、6年生の指導にお伺いすることになっています。
今度は、合奏と合唱の両方を聴かせていただきます。
とても楽しみです。


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福島県から~2017・9月・その1

先週の金曜日から昨日の日曜日まで、福島県にお伺いしてきました。
今回は、5つの中学校、そして、初めて出会う高校からのお招きでした。


福島県では、『合奏祭』という小中学校の行事が、平日に行われます。
これは、『日本学校合奏コンクール』の予選を兼ねた音楽会となっています。
吹奏楽だけでなく、福島県で盛んな管弦楽の学校も出場します。

多くの小中学校がこの『合奏祭』に参加し、今年度の演奏のまとめとしています。

これから地区大会、そのあと、県大会、そして、全国大会と続くため、3年生にとっては受験勉強との両立に悩みながらのラストスパートとなります。

このコンクールの全国大会(グランドコンテスト)は、福島県と千葉県で隔年開催となっており、今年の全国大会は、11月4日(土)小学校の部・高等学校の部、11月5日(日)中学校の部が、千葉県文化会館大ホールで開催されます。

詳細は、下記の『JSECC日本学校合奏コンクール』のHPをご覧ください。
http://jsecc.jp/grandcontest.html

全国的にみると、ややマイナーなコンクールで、生演奏での予選が行われていない地域も多いのが実情です。
しかし、このコンクールの前身である『全国学校合奏コンクール』も含めると、実はかなり長い歴史を持っているコンクールなのです。
特に管弦楽が盛んな千葉県や福島県では、「こども音楽コンクール」と共に、このコンクールをとても大事にしています。

今回お伺いした中学校の皆さんの目標は、もちろん地区代表・県代表です。

運動部は、夏休み前に3年生は引退してしまうそうで、このギャップは気になりますが、むしろ、勉強と部活の両立で時間の使い方が上手になり、充実した生活か出来ている生徒さんたちが多いとか。

今回の中学校でのレッスンは、そんな『合奏祭』直前という大切な時期のまとめのレッスンでした。

それぞれの学校が、今年度のチームとしての最高の演奏でステージに上がれるように、顧問の先生と話し合いながら、生徒さんたちと共に勉強を進めていきました。

先日、記事にアップさせていただいたように、長期間練習していることで、悪い演奏慣れや勘違いなども起きている箇所もあり、軌道修正をさせていただいた場面もありました。

どの学校も、「最後の仕上げ」に向かう意欲満々の先生と生徒さん方でした。


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全員初心者の小さな「村立」の学校です。
いつもながら、リーダーさんが中心となった丁寧な基礎合奏からスタートしました。
当然のことながら、1年生もずいぶん吹けるようになり、6月とは音の厚みや音程感が向上していました。
この学校は、「ТBCこども音楽コンクール」にも出場しており、その「重奏部門」で東北大会出場を決めた木管アンサンブルも聴かせてくださいました。
基礎練習を丁寧に積み重ねた「良い音」で奏でるアンサンブルの響きは、何とも優雅で美しかったです。
合奏では、場面の変化や細かいリズムの揃え、打楽器のバチ選び、人数が少ない中でも様々な音色を作り出す工夫など、作品の完成に向けての楽しい勉強が出来ました。
ひとりひとりの技術が上がったからこそ実現出来た楽しいレッスンでした。


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新築された校舎の新しい音楽室は、まだ「出来たて」の香りがしていました。
そして、ひとりひとりの音色がとても良くなっていて、びっくりしました。
みんな夏の練習をすごく頑張ったんだなぁと思いました。
特に、ソロを演奏する3年生の音の変容はすばらしかったです。
演奏するのは、場面転換豊かな邦人作品ですが、技術が上がったのに、どちらかというと「守りの演奏」になっていました。
楽譜に書かれた記号、拍子感、場面の特徴やフレーズ表現に対するアンテナを鋭くし、積極的に表現することで、曲の命が蘇ってきました。
時間切れで曲の最後まではたどりつきませんでしたが、きっとその部分の見直しもしっかりやって本番を迎えてくれることでしょう。


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今年は部員の減少に伴って、吹奏楽コンクールでは、初めて「小編成の部」に出場しました。
先生にとっても、部員たちにとっても、新しいチャレンジでしたが、結果はなかなか厳しいものでした。
練習している曲は、「アレンジ物」なのですが、原曲の良さがちょっとどこかへ行ってしまい、ただただ鳴りの良い頑丈な吹奏楽の演奏?という感じになっていました。
そこで、全く新しい曲を演奏するつもりで、強弱表現や音色感、和声感、フレーズ感、バランス感、伸ばす音の表情などにこだわってゼロから作り直してみました。
大きい音で吹くだけでなく、耳を澄ましたくなるような弱奏の美しさも大切にして...
先生も皆も、「そうか~、なるほど~、ううむ...」と、反省と新鮮な気持ちいっぱいになられ、合奏祭までの意欲満々になりました。
ラストスパートはとても有意義な練習になりそうで、どんな演奏に仕上げていかれるのか、とても楽しみです。


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こちらの中学校の学区にある小学校には、近年、吹奏楽部が誕生し、少しずつ経験者が入部するようになってきました。
それでも、6月には、1年生はまだ1年生という感じの姿と音でしたが、部員全員で吹奏楽コンクール大編成の部やTBCこども音楽コンクールに挑戦し、その経験を通した成長を姿と音で見せてくれました。
今回は、レッスン曲は1曲ということで、基礎合奏の深化と修正についてもアドバイスをさせていただきました。
このバンドに特に必要な基礎合奏にポイントを置いて、じっくり時間をかけ、皆が納得して取り組める練習方法の実際をつかんでいただきました。
曲の合奏では、もう一度、楽譜の細部の読み込みをし、特に合わせる必要があるハーモニー、意識しなければならない強弱の変化や音色の変化、「間」の取り方やフレーズの流し方などを勉強しました。
とても良い曲に取り組んでいるので、皆、いくらやっても飽きることがなく、生き生きと演奏し、さらなる深まりを見せてくれたことがとても良かったです。


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顧問の先生は、この学校に転勤2年目です。お伺いする度に、先生と生徒さんたちの絆が深まっているのがわかり、それと共にぐんぐん音も良くなっていることに感動します。
初心者の1年生もだんだん音が出るようになり、吹ける場所も増えて来ました。
2、3年生の音のクウォリティは、6月とは比較にならないほど向上していました。
曲の作りを少し考え直し、この良い音をたっぷり聴かせられるテンポ設定や音楽の運びを工夫してみました。
場面によっては、指揮にもあまり管理され過ぎず、自由にソリスティックに演奏出来るよう、先生にもお願いをしました。
また、速い部分では、「吹き慣れ」によって、逆に正確なリズムや拍感、拍子感が不足してしまっていることが分かり、もう一度、しっかりととらえ直すトレーニングをしました。
最初から最後まで、テンションが全く落ちず、むしろどんどん熱が上がって行った皆の意欲に感心です。



6月は、どの学校もまだ曲を必死に演奏していたり、作っていく途中経過だったりしましたが、今回は夏を経て、先生も生徒さんたちも、曲とすっかり仲良くなった演奏を聴かせていただくことが出来ました。

「人間関係」と同じで、仲良くなり過ぎて、逆に見えなくなってしまっている「曲の良さ」や「付き合い方の不丁寧さ」もありました。

「合奏祭」という最後の対外的ステージが、むしろ「新しいステージ」となって、曲と新鮮に向き合った本番になることを祈っています。

今回のレッスンでは、その新鮮さを感じていただくことを特に意識してアドバイスさせていただきました。

残された日々で、新しく生み出される演奏の感動を心に染み込ませながら練習に励んでいってほしいです。

心から応援しています!


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さようなら~!
みんな、合奏祭がんばれ~


*~その2~に続きます。

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福島県から~2017・9月・その2

今回の福島県レッスンでは、高校バンドとの初めての出会いもありました。

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6月に福島にお伺いした際に、こちらの高校の顧問の先生がお食事会に参加され、初めてお会いしました。
先生は、教育系大学の音楽科を卒業してまだ2年目。
もちろんこの高校が初任校です。

お食事会の時の謙虚な言動や熱心な姿勢、その後、時折くださったメールの丁寧さに、私はとても感動し、先生とのお付き合いを大切にしたいと思いました。

「いつか私の高校にも、田川先生に指導にお越しいただきたいです。その日を目標に頑張ります」とおっしゃっていた先生。
「私も、その日を楽しみにしています。頑張ってくださいね」とお答えしました。

意外にも早く、「その日」が訪れました。
お食事会に誘ってくださった中学校の先生が、「新チームになった今、思い切って田川先生に見ていただいたら」とアドバイスしてくださったのです。
先生は、決心され、今回のレッスンが実現することになりました。

この高校は、中学校が出場する『日本学校合奏コンクール』に出場するわけではなく(高校の部もあります)、今は、基礎合奏や11月にある「市民音楽祭」に向けての練習をしているとのこと。
「市民音楽祭」は、毎年、ポップスなど楽しい曲で出演しているそうですが、私から「もしレッスンを受けられるのでしたら、思い切って大きめの曲を練習してみませんか?」と提案し、私のアレンジの『青銅の騎士』をお勧めしました。
楽譜を出版しているわけではないので、無料でプレゼントできます。

「え!よろしいのですか?大好きな曲なんです。出来るかどうか心配ですが、精一杯練習します!」と先生はおっしゃり、この曲に取り組むことになりました。
新チームの半数近くは、高校から吹奏楽を始めた初心者です。
今回のレッスンに向けて、何と2泊3日の合宿までおこなって頑張ってくださったというお話にびっくりしました。
レッスンを受けるために合宿とは...

副顧問の男性の先生も、木管楽器を演奏される国語科の先生ですが、この若い先生を全力でサポートされ、部員たちのために力を注いでおられます。
もちろん、その合宿でも指導に関わられました。
ずっと歳上の先生ですが、新卒2年目の先生を立てながら、先生と生徒たちのために最善を尽くされるお姿は、本当に大人で、紳士的です。

そんな情熱的な取り組みをして迎えた今回のレッスンでした。
出会った生徒さんたちは、笑顔キラキラで明るさいっぱい。
共学校ではありますが、見事に全員女子でした。 まさに、JKバンド!

「いつもどおりの練習の仕方を見せていただき、検証しましょう」ということで、基礎合奏から先生に指導していただきました。

丁寧なチューニング、サウンドトレーニング、ハーモニートレーニング、コラールと、進んでいきます。
初心者が半数近くいるとは思えないほどとても丁寧な発音、正しい音程、良い響きです。
先生からの注意も、とても的確です。
そして、ただの儀式的で退屈な基礎合奏の雰囲気ではなく、皆がこの時間を大切にしていることが伝わってくる様子がとてもうれしかったです。

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使用しているメソードは、秋山紀夫先生『誰にでも出来る合奏の基礎トレーニング』です。
基礎合奏の王道のメソードです。

秋山先生が聴かれたら、きっと喜んでくださるだろうと思うほど、このメソードの意図を十分に理解した練習が進みました。
先生の導き方が良いのです。

途中で、「このメソード、『誰にでも出来る』と書いてあるけど、本当は『誰にでも吹ける』だと思うんだよね。良い指導が無く、ただ吹いていても効果無し!こうして先生から的確なご指導があり、皆も考えながら演奏しているから効果があるんだよ。君たちは、先生の良い指導が受けられて幸せだね!」と皆に話しました。
みんなニコニコで、ますます良い音で練習を進めました。

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新卒2年目とは思えないほど的確な指導されるすばらしい顧問の先生です。
謙虚で丁寧なお人柄が生徒さんたちにも伝わり、良いバンドの雰囲気にも表れていました。


「コラール」では、メトロノームに合わせたような「縦の演奏」を少し修正して、各声部の生かし方や各フレーズの運び方、伸ばす音の処理の仕方など、音楽的に深める練習しました。

反応がとても良い生徒さんたちで、初めて会う私との練習にも、すっと入って来てくれました。

そして、合宿までして練習してくださった『青銅の騎士』です。

まだ技術的に未消化な部分もありましたが、先生がただの「トレーニング」ではなく、今の技術で出来る「音楽」を大切に指導して来られたことが分かる演奏でした。

ここからは、私がバトンタッチして、どんどん進めていきました。
皆、やる気に満ち溢れているので、ひとつの指示に対して、予想以上の豊かな反応をしてくれます。
音も音楽もどんどん変わっていきます。

約半数が初心者、しかも、3年生が引退して新チームになって間もないバンドの練習モードではありません。
先生方の日頃からの丁寧なご指導が、皆のこの力と意欲につながっていることは間違いありません。

IMG_0067_convert_20170923071156.jpg  IMG_0012_convert_20170923071001.jpg  「手を使って歌う」という謎の練習(?)にも、喜んで取り組んでくれました。
とっても素直な生徒さんたちです。


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私のレッスン中、先生は真剣に見つめ、スコアにどんどん書き込みながら、勉強されていらっしゃいました。

IMG_0040_convert_20170923071118.jpg  IMG_0066_convert_20170923071137.jpg  
最後は、先生の指揮でまとめていただきました。
「これ、うちのバンド? すごいです! こんな音が出せるんですね! 感激です!」と興奮されていました。
そうです! これが先生のバンドですよ! すばらしいです!


みんな、キラキラMAXで、初めてのレッスンは終了しました。

私もとてもすがすがしい気持ちでお別れ出来ました。
先生方のご指導のすばらしさと、生徒さんたちの素直さと熱心さのおかげです。

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顧問の先生方のお人柄どおりの素直で清潔な音を響かせていた皆さん。
たゆまないコツコツとした基礎練習の積み重ねで、初心者が多いとは思えないほどの良いサウンドを聴かせていただきました。
正しいことをきちんと教えてくださる先生方のおかげで、こんなに豊かな音楽活動が出来ているのですよ。
そして、明るい中にも、端正さのあるバンドの雰囲気が大好きになりました。
レッスンを受けるために、合宿までして練習に励んでくださった成果は、皆さんの演奏から十分に感じ取れました。
今度お会い出来るのは、来年の6月です。早くもコンクールに向けてのレッスン予約をいただきました。
その時には、さらに成長し、新1年生も含めたメンバーで熱い演奏を聴かせていただけることを楽しみにしています。
これからも顧問の先生方のご指導を大切に受け止め、良い方向性を持ったバンドとして進んで行ってください。

先生方、みなさんと出会え、本当にうれしかったです。

これからもよろしくお願いします!

お招きいただき、ありがとうございました。


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二度目の「奇跡の再会」

一昨日の水曜日は、埼玉県の小学校にお伺いさせていただきました。

バンドの顧問は、私を初めてお招きくださった音楽専科の先生ですが、その学校で別の先生との「奇跡の再会」がありました。
私が市川市立真間小学校に赴任してからの2年間、講師として勤務されていた先生との再会でした。

そして、その真間小への赴任時に、先生との「一度目の奇跡の再会」が起きていたのです。

「あれ...この人、どこかで見たことがある。 どこかで会ったことがある。 気のせいかな...」
勘違いを承知で、私は彼女に話しかけました。
「あの...どこかでお会いしたような気がするのですが...」
「えっ! 田川先生、私のこと、覚えていてくださったんですか? 私、〇〇高校で田川先生にご指導していただいたことがあるんです。」
「やっぱり! ええと...もしかして、打楽器やっていましたか?」
「え~っ! そうです! どうしてそこまで覚えていてくださったんですか?!」
「おお! ここでまた会えるなんて!」 私たちは、興奮して再会を喜び合いました。

真間小では、彼女は、週4日出勤の「算数少人数TT」の講師でした。
でも、自分から、「吹奏楽部のお手伝いをさせてください」と、申し出てくださいました。
「田川先生の元で、吹奏楽の勉強が出来るなんて、こんなラッキーなことはありません」と...。

まだ合格していなかった採用試験の勉強もあり、もちろん主の算数少人数TTの仕事もあり、その他様々な場で重宝に使われていた(?)先生。
それでも、時間をやりくりし、朝練習は毎日のように来てくださり、放課後や夏休みもずっと...
もちろん、全くのボランティアです。

真間小学校は、吹奏楽をやるにはあまりにも様々な環境が整わない学校で、私はそれまでの学校では経験したこともないほどの不条理な出来事にも遭遇して苦しみ、同時に母が倒れて看病にも走り、ついには自分が体調を著しく崩して、やっとの思いで学校に通う日々が続きました。

そんな私を、彼女は誠心誠意支えてくださいました。
「田川先生の元で、吹奏楽を勉強...」どころではなく、私の必死の格闘に、心底付き合ってくれたのでした。

打楽器パートは、彼女に全てお任せし、譜読みから合奏中の注意まで、細かく指導してくださいました。
土曜日の練習も、用事がない限り、お手伝いに来てくださいました。
私の悩みや愚痴も、心の底から理解して聞いてくださいました。

そんな学校環境と私の体調不良の中、赴任わずか2年で、『斑鳩の空』を演奏して、「東関東吹奏楽コンクール・金賞(同点決勝投票で東日本大会には行けなかったのです...泣)、「日本管楽合奏コンテスト全国大会・最優秀グランプリ」「TBSこども音楽コンクール・東日本大会最優秀賞」「東京ディズニーシー公演」までに至ることが出来たのも、彼女のサポートがあってこそでした。
私ひとりではどうにもならなかったと思います。

私にとって「命の恩人」と言っても過言ではない彼女は、現在は埼玉県の正式教員としてバリバリ働いています。

今年、今の学校に転任したばかりで、まだ「副顧問」という立場を与えられている訳ではありません。
でも、時々、打楽器の指導をしたり、大会の引率をしたりと、彼女の技術と経験を生かしてバンド活動のお手伝いをしているそうです。

顧問の先生が、職員室で、「田川先生という先生にご指導に来ていただきたいなぁと思っているんです。でも、ウチなんかに来てくださるのかなぁ」と話しておられたのを耳にして、「えーっ!田川先生って、あの田川伸一郎先生ですか?私、2年間ご一緒させていただいたんですよ!それは絶対にお願いした方がいいですよ!私から連絡して差し上げますから!」と、顧問の先生の背中を押してくださったようです。
そして、顧問の先生から正式なご依頼をいただき、「二度目の奇跡の再会」の機会が得られたのです。

今回は、初めて私のレッスンを受けることになった顧問の先生と子どもたちの緊張を和らげながら、学年学級の仕事は全部パスして、私のレッスンをずっと見学してくださっていました。

レッスン後、顧問の先生との反省会にも同席してくださり、あの頃の話で盛り上がり、思い出したい話題も思い出したくない話題も、全て笑って話せました。

このバンドの良い点や課題、練習方法、選曲などについて、私から顧問の先生にお伝えしていた時にも、うなずきながら聞き、「そうです。田川先生は、真間小でもそのようにされていましたよね」と、私が現職時代にやっていた指導法やその効果について、サイドから見た目線で補足説明してくださいました。

顧問の先生も、私との出会いをとても喜んでくださり、今後も継続してレッスンをお願いしたいとお話しくださいました。

新しい先生・子どもたちとのうれしい出会い、そして、「二度目の奇跡の再会」に感動した日でした。


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先生との再会、本当にうれしかったです!
これからもよろしくお願いします。


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